愛知県豊橋市、DJI JAPAN株式会社は、中京テレビ放送株式会社と共同で、DJIの最新型業務用ドローンMavic 3E(Enterprise)と画像処理マッピングソフトウェアのDJI Terraを活用し、土砂災害の現場計測を行った。また、同製品およびMavic 3T(Thermal)を活用し、とよはし産業人材育成センターの協力の元、共同防災訓練を実施した。
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豊橋市は、2017年に竜巻被害に見舞われたことにより、ドローンを活用した画像処理の必要性を強く感じたという。災害時は迅速な情報収集や復旧復興のための支援が重要だが、広範囲にわたる被害状況を災害対策本部に伝え、全容を把握するために、画像・動画のみでは課題があった。昨今の防災・救助分野でのドローン需要の高まりを受け、豊橋市ドローン飛行隊「RED GOBLINS」は安心安全を第一に災害から市民を守るため、機体の安全性や利便性を考慮し、隊の発足当時からDJI製ドローンを導入。現在は、オルソデータ、三次元データも利用しながら、調査や捜索活動における対応方針の決定に役立てているという。
同共同調査では、土砂災害現場を対象に、災害の全容調査を正確に把握するため、Mavic 3Eで3次元マッピングを行った。撮影はMavic 3E、画像処理にはマッピングソフトウェアのDJI Terraを活用。Mavic 3Eは広角カメラ、最大56倍のハイブリッドズームカメラにメカニカルシャッターでブレを防ぎ、0.7秒の高速インターバル撮影に対応、撮影枚数や飛行時間を大幅に削減可能だ。
また、RTKモジュールを組み合わせたツールを選ぶことも可能であり、cmレベルでの高い測位が可能。DJI Terraでは同現場のデータを10分以内で作成できた。生成した点群上で画像を一括管理し、現場での確認が可能となる。今後は活動中の部隊が復興部隊と即時情報共有・連携し、災害対応を迅速に行えることに期待しているという。
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また、消防隊との合同防災訓練では火災現場の人命救助活動を想定し、Mavic 3Eで被害状況を撮影、災害対策本部のモニターに映し出し、災害対応方針の策定に役立てている。Mavic 3Tは、コンパクトで携帯性が高く、現場到着後、すぐに飛行可能だ。併せてDJI Terraを使用することにより、わずか数分間で半径100メートルの現場オルソおよび3Dデータの作成を実現した。建物の大きさや高さなど詳細な情報も確認でき、火災救助戦略の活用に貢献するという。さらに、サーマルカメラで熱源を感知し、要救助者の場所を特定することで、迅速な救助活動につながることが実証できたとしている。
今回の検証を経て、豊橋市ドローン飛行隊副隊長の星野好史氏は次のようにコメントしている。
RED GOBLINSは大きな災害が発生した際に、山のがけ崩れや大規模な市街地の被災、海岸の津波被害などの災害に関し、効率的に情報収集するためドローンを導入し活動しています。今回の合同訓練を通じて、災害現場での救助や復旧活動に大きな変革が起きていることが分かりました。市民の皆様の安心安全を第一に、さらに事故の予防や二次災害を未然に防げるよう邁進してまいります。