株式会社センシンロボティクスは、大分県からの委託を受けた株式会社ザイナス、大分大学減災・復興デザイン教育研究センターと連携して災害・事故発生時の初動対応に「SENSYN Drone Hub」を活用する実証実験を行った。
同実証実験は、災害時のドローン活用の実用化を目指す大分県が、ドローンによる情報収集を行う仕組みを構築するため、研究開発が進むドローン技術の試行として実施したものだという。
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自然災害の激甚化への対応は社会課題となっており、ドローンの活用の期待が高まる一方、発災直後は関係機関の人員が救助などに当たるため、操縦者の確保が難しいのが現状だという。
そのため、⺠間企業や⾃然災害対応を主としない⾃治体の関係者でも、情報収集のためにドローンのフライトを⾏える環境を作り、⼀定の品質で撮影ができる仕組みを構築する必要があるという。
「SENSYN Drone Hub」はドローン機体、自動離着陸や自動充電に対応する基地(ドローンポート)、制御ソフトウェア・業務アプリケーションが一体となった、業務の自動化を実現するシステムだ。
自動離着陸、自動充電、自動データ転送が特徴で、事前に経路設定を行うことで人の手を介さずにドローンによるデータ取得が可能になるという。
作業員が都度現地に赴く必要がなくなり、発災後の危険な場所でも効率的かつ安全な業務遂行が可能となる。
同実証実験では380メートル離れた採石場を被災現場と想定したルート設定を行い、必要なデータを取得できるかの確認を行ったという。飛行中は映像伝送システムで中継した拠点間接続時の映像品質の検証を行い、現場の状況をリアルタイムで確認することができたとしている。
また、取得したデータは災害情報活用プラットフォーム「EDiSON(エジソン)」と連携することで、撮影データや位置情報を関係機関と共有することに成功したという。
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「SENSYN Drone Hub」はLTEネットワークを経由して、ドローンが取得したデータをリアルタイムにクラウドサーバーにアップロードし、解析までを行うことが可能だ。(LTE通信の空中使用においては、総務省への申請を行った上で実施。)
飛行の都度データをPCに取り込む作業が不要で、クラウドへの自動アップロードから解析レポート作成までを一貫して実施できるため、迅速に情報共有をすることができるという。
最新テクノロジーを活用した防災・減災の取り組みが広がりつつあるが、防災の仕組みで真に活用するためには複数の用途で平時から日常的に活用できるシステムを構築する必要があるという。離着陸・撮影・データ転送・解析までをすべて自動で行うことが可能な「SENSYN Drone Hub」を活用することで、平時はインフラの点検や見守り・巡視などの業務を実施し、災害発生時は被災状況の把握を行うといった、平時・非常時両方を踏まえたシステムの構築を実現するという。
また、巨大地震のような大規模災害の発災直後は、訓練された人であってもしばらくは身動きが取れない状況が想定される。そういった状況においても「SENSYN Drone Hub」があれば、その間にもドローンが必要なデータを収集することが可能となる。
今後も業務の効率化・高度化を進め、社会課題でもある人手不足の解消や作業者の安全確保に貢献できるソリューションの開発を目指すという。