宇宙用作業代替ロボットを開発するGITAI Japan株式会社(以下:GITAI)は、開発中の単腕型作業ロボットS1による宇宙組み立て作業の地上実証に成功し、その動画を公開した。
- Advertisement -
S1による宇宙組み立て作業模擬タスクの実施状況(GITAI社内にて撮影)
実施したタスクは、柱状のパーツから架台を立ち上げパネル状のパーツを組み付けるもので、太陽光発電システムやアンテナ、望遠鏡のミラーなど、広い面積をもつ構造物の組み立て作業を模擬している。
- Advertisement -
近年加速する宇宙開発において注目される分野の一つに、宇宙組み立て(In-Space Assembly)がある。打ち上げのサイズに制約がある宇宙において、狭いスペースに収まるパーツから大きな構造物を組み立てるもので、ロボット技術の活用が期待されている分野だという。
同地上実証におけるロボットの動作は自律的で、目標の認識、動作計画などもリアルタイムに行われている。これまでにスイッチ類の操作やケーブルの抜き差しなどの作業の自律化を行ってきたが、より複雑な作業の自律化を実現したもの。また、技術的挑戦としてツール(ドライバ)を使用した作業も取り入れており、ロボットアームの汎用性、多能性を確認した。
GITAIでは、2021年に国際宇宙ステーション(ISS)の船内においてS1の技術実証を実施予定。実施場所となるNanoracks社の商用モジュールBishopは12月6日に打ち上げに成功し、すでにISSに到着している。今回、自律的な宇宙組み立て作業の技術成立性を地上実証で確認したことにより、宇宙実証に向けて大きく前進したとしている。