ブリュッセルに拠点を置く保安NGO、欧州エマージェンシー・ナンバー・アソシエーション(EENA)と、民生用ドローンメーカーであるDJI社が今日、複雑な救助活動における、ドローンの人命救助を賞した。両社はまた、研究パートナーシップを拡大し、さらに救助活動にドローンを組み込むと発表した。
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EENAが毎年開催する112アワード式典は、今年スロベニアの首都リュブリャナで開かれた。アイスランドのDalvik Search & Rescue Teamが、その並外れた技術において、セイフティ・アワード(保安賞)を受賞した。ある山の一角で、二人の人が遭難した。Dalvikチームは、遭難者のうちの一人の携帯電話のライトに向かって、ドローンを操縦することで、視界が悪く登山困難な地形を救助隊が進むことができた。
EENAとDJIが一昨年共同して始めた研究では、保安機関でのドローンの有効活用法を調査している。ニーズ研究と、それに対応したハードウェア・ソフトウェアの開発をおこなっている。今日のEENA2018会議冒頭では、EENAはパートナーシップを拡大し、各機関が既存のコマンドプロトコルにドローンを統合し、それを最大限効果的に活用するための枠組みを研究すると発表した。EENAとDJIのパートナーシップについて、EENAの執行役員Gary Machado氏はこう述べている。
ここまで来れて、非常に誇らしいです。一般市民の命を救うという驚くべき成果を出すことができました。ドローン技術は、救助活動能率を拡大し、市民の安全を守る一つの方法です
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DJIのパブリックセイフティーインテグレーションディレクターのRomeo Durscher氏は以下のようにとコメントしている。
DJIがEENAとパートナーシップを組むことで、ドローン技術を用い、危険な救助活動における時間、危険性、コストの削減を研究することができるようになりました。より迅速な対応や効率的な救助、救助隊の安全を確保することにより、ドローンは緊急事態応答の基準となる技術になる可能性があります。このような成果を救助隊の為に使用し、DJIとEENAがプロトコル開発をさらに進めていく一方で、我々の研究が、納税者の支出を削減し、救助活動でのリスクを減らし、そしてより多くの命を救うことに寄与できるのは喜ばしいです。
基調講演で保安機関がドローンの新しい活用法を急速に取り入れていることについて、Durscher氏は詳しく述べた。開発者は拡張現実オーバーレイや、空中のサーチライト等の救助隊のニーズに応える特別なツールを開発している一方、諸機関は、ドローンが事故前後の貴重な情報を提供するという、先駆的な方法を所持している。
EENAとDJIパートナーシップの次の段階では、実社会での実験を行うことで、ドローンを使用し、操縦士の訓練を行い、法律に反しない範囲で活動を行うための欧州救助活動規範を作る。このプロジェクトでは、ドローンの使用を推進するだけではなく、政治家や業務監査人、訓練部隊に対してもドローンの使用法を推進する。
この研究段階においては、アイルランドのドニゴール山レスキューチームや、イギリスの中心部・西部ウェールズファイヤー・レスキューサービスが実験基盤を担う。街や高山、沿岸部の水域、難しい地形などにおいての様々な消火活動、捜索、救助活動のシナリオが提供される。