「もう、これでいいんじゃないか…。」DJIの新製品を見るたびにこの感想が出てくるのですが、このたび発売になった携帯性と機能性を両立させたDJI Mini 5 Proはその感想にピッタリの"My First Drone"として最強クラスのドローンです。
今回はこの最新フォーマットで生まれ変わったコンパクト空撮ドローンDJI Mini 5 Proをいち早くレビューしていきます。
DJI Mini 5 Proならこんな映像がかんたんに撮れる!
目を見張るコントラストの効いた高画質な映像、FPVレースドローンのような傾いた臨場感ある画角、波しぶきをひとつひとつ確認できるスロー映像…これらすべてをDJI Mini 5 Proで撮影することができます。しかも、向上した飛行性能のおかげで海沿いの強い風にも安定性を欠くことなく、被写体に近い低速の空撮から壮大な景色を映すための速度の速い空撮まで見事に対応してくれました。
DJI Mini 5 Proの主な特徴
DJI Mini 5 Proは、249.9gの小さなボディに上位機種並の高性能を内蔵した携帯性と高画質を両立したコンパクト空撮ドローンです。世界的に航空法(のようなルール)の規制対象から外れる250g未満のカテゴリーはDJI Flipと同様に(日本では100g未満が規制の対象から外れる重量なのであまり関係ない)、今回もたくさんの機能的メリットが詰め込まれています。


DJI Mini 5 Proは、たくさんの機能的特徴を持ち合わせていますが、筆者が注目したのは下記の点です。それぞれどのあたりがスゴいのか、見ていきたいと思います。
- ✔高画質1インチセンサー搭載&14ストップのハイダイナミックレンジ
- ✔225°ジンバルロール&縦構図撮影
- ✔低劣化2倍デジタルズーム&4K120fps(FHD240fps)スロー撮影
- ✔前方LiDAR搭載で夜間でも全方向障害物検知
- ✔大幅アップした飛行速度&耐風性能
(1)高画質1インチセンサー搭載&14ストップのハイダイナミックレンジ
アップデートのいちばんの注目は、やはり高画質な1インチセンサーの搭載でしょう。Mini 4 Proは少し小型の1/1.3インチでしたが、それでも十分にキレイな映像を撮影することができました。しかし、それがAir 3Sのメイン広角カメラと同等の1インチにサイズアップすることでさらに美しい映像を撮影することができるようになっています。

センサーサイズが大きくなると、1ピクセルあたりのセンサーの大きさが大きくなるので同じ4K映像でも情報量の多いキレイな映像・画像を撮影できるようになります。ダイナミックレンジ(いちばん暗い黒からいちばん明るい白までの幅の広さ)もAir 3Sと同じ14ストップ(214=16,384倍の明暗差を表現できる)と、一世代前のフラッグシップモデルであるMavic 3 Proを上回るスペックです(Mavic 3 Proは約13ストップ、約213= 8192倍)。
また、撮影動画カラーモードも通常の「ノーマル」、高画質なLog収録と自動色調整がされた撮影ができる「HLG」、色調整を前提にフラットな色調で撮影するLog撮影の簡易版「D-Log M」の3種類に対応しています。Mini 5 Proがスゴいのはノーマルでも10bit(10億7374万色)の撮影ができるところです。Mini 4 Pro やFlipではノーマルは8bit(1677万色)、HLGやD-Log Mで10bit撮影対応だったのですが、Mini 5 Proではノーマルでも高画質収録のHLGやD-Log Mと同じ色数で映像を表現できます。
ただ、高画質な撮影をするにはカメラ設定を自動ではなく手動で行ったほうが良さそうです。上記サンプル映像は自動設定と手動設定で撮影したものも比較していますが、自動で設定した映像は暗所にノイズが目立っています。これは、ISO感度の設定を自動で上げてしまっていることが原因です。
ISO感度は数値を上げると画面を明るくできるのですが、デジタル技術で明るくしているため数値を上げれば上げるほどノイズが増えてしまいます。ノイズが乗らないように画面を明るくするには、まずはシャッタースピードを遅くするのがコツです(シャッタースピードが遅いとシャッターを開けている時間が長くなるので画面が明るくなりますが、動いている被写体が少しボケまてしまいます。しかし、動画では少しぼかして撮影したほうが滑らかに見えますので、基本的にはシャッタースピードはいちばん遅く設定しましょう)。
また、結局どのカラーモードで撮影すればいいの?…と質問が出そうですが、色編集などを省略したい人は「ノーマル」、色編集を前提に撮影したい人は「D-Log M」、色編集はめんどくさいけど高画質収録はしたい人は「HLG」がおすすめです。
もちろん、静止画もダイナミックレンジの広い写真を撮ることができますので、写真をメインに撮影を楽しむ人でもじゅうぶんに楽しめます。

(2)225°ジンバルロール&縦構図撮影
DJI Mini 5 ProのジンバルはMini 4 Proのような上方アオリ角度(55°)やカメラを90°物理的に傾けた縦構図撮影はもちろんのこと、Mavic 4 Proのインフィニティジンバルのようなロール方向に225°傾けて撮影することができます。画面が傾くと不安感や非日常感を出すことができます。
(3)低劣化の2倍デジタルズーム&4K120fpsスロー撮影
DJI Mini 5 ProはAir 3SやMavic 4 Proのような中望遠のサブレンズは搭載されていませんが、画質劣化を最低限に抑えた2倍デジタルズームを搭載しています。簡易的に被写体に寄った撮影も可能です。また、Mini 4Pro では4K100fpsまでしか撮影できなかったスロー撮影では4K 120fps(FHD 240fps)まで対応し、動きの速い被写体をより鮮明に捉えてスロー再生することができるようになりました。
(4)前方LiDAR搭載で夜間でも全方向障害物検知
飛行の安全性についてもDJI Mavic 5 Proはアップデートされています。DJI空撮ドローンの最新ラインナップではデフォルトとなってきた前方LiDAR(ライダー)センサーが搭載され、低照度魚眼カメラのビジュアルセンサーと合わせて夜間のような暗い場所でも全方向障害物検知が可能になりました。


通常、魚眼カメラのビジュアルセンサーのみの障害物検知だと、カメラが鮮明に撮影できない暗い場所では障害物検知の精度が落ちたり、そもそも障害物検知機能が使えなかったりします。そこで、暗いところでもレーザーで障害物を検知できるLiDARセンサーを併用することで、飛行環境の暗さに関係なく障害物検知機能を使い安全にDJI Mini 5 Proを飛行させることができます。
ちなみに「1ルクス」の明るさでも全方向障害物検知可能な性能を持っていますので、満月の月明かり程度の夜間(かろうじて人や物の形を認識できる)でも障害物を検知できるレベルということになります。
(5)大幅アップした飛行速度&耐風性能
カメラやセンサーだけでなく、DJI Mini 5 Proはドローンの基本である飛行性能も大幅に向上しています。最大上昇速度はAir 3Sと同じ10m/s(Sモード)、最大水平速度もAir 3Sに迫る18〜19m/s(Air 3Sは21m/s)となっており、空撮時に飛行速度を上げて撮影しようとした際にもストレスを感じることはほとんどありませんでした。

また、耐風性能もMini 4 proの10.7m/sからDJI Mini 5 proではこちらもAir 3SやMavic 4 Proと同等の12m/sまで向上。Mini 4 Proでは少し強い風に揺られてしまうシーンでも安定して空撮をすることができました。小型のMiniシリーズでは風が強いと空撮できないよね…というこれまでの認識を改める必要がありそうです。
DJI Mini 5 Proの気になる各部チェック
では、そのほかの気になる各部もチェックしていきたいと思います。








結論、どれを購入すればいいのだろう?
小さいボディサイズで優れた携帯性を持ちながら、空撮性能は妥協のない高画質高性能。DJI Mini 5 Proは初めて購入する空撮ドローンとして、また、サブの小型空撮ドローンとして最適な機体と言えるでしょう。
また、旧型になったとはいえ、Mini 4 Proは、国内においては「型式認証」を取得している機体があると考えると「無人航空機操縦者技能証明(国家資格)」を持っている人にとっては機体認証制度を活用することで国土交通省への飛行許可承認申請を省略できるという魅力もあります(性能と価格のバランスも魅力的)。
機体購入を検討する方に向けて、下記にAir 3S/DJI Mini 5 Pro/Mini 4 Proの性能比較表を作成いたしました。基本的な性能・機能を中心にまとめましたが、見ての通り、DJI Mini 5 Proは実は多くの性能が上位モデルAir 3Sと同等レベルに引き上げられています。つまりは、サイズと中望遠レンズの有無がDJI Mini 5 Proと上位モデルAir 3Sの差…と言ってもほぼ間違いないレベルということになります。
とても悩ましいところですが…
- ✔ オールインワンで携帯性も優れた高画質空撮ドローンを求めるならDJI Mini 5 Pro
- ✔ 中望遠など変化のある画角でも撮影したいし飛行性能の安定感もほしいならAir 3S
- ✔ 割安に本格空撮を楽しみたい&機体認証と国家資格で手続きを簡素化したいならMini 4 pro
というところでしょうか。みなさんもご自分に合った最適な空撮ドローンを見つけてみてください。
| Air 3S | Mini 5 Pro | Mini 4 Pro | |
|---|---|---|---|
| 価格 (Fly More Combo RC2付属) | 209,000円 | 150,480円 158,180円※ |
109,450円 134,420円※ |
| 離陸重量 | 724g | 249.9g | 249g |
| サイズ (長さ×幅×高さ) | 266.11×325.47×106 mm | 255×181×91 mm | 298×373×101 mm |
| 最大上昇速度 | 10m/s | 10m/s | 5m/s |
| 最大水平速度 | 21m/s | 19m/s | 16m/s |
| 最大飛行時間 | 45分 | 36分/52分※ | 35分/45分※ |
| 最大風圧抵抗 | 12m/s | 12m/s | 10.7m/s |
| GNSS | GPS + Galileo + BeiDou | GPS + Galileo + BeiDou | GPS + Galileo + BeiDou |
| イメージセンサー | 広角カメラ 1インチCMOS、有効画素数50MP 中望遠カメラ 1/1.3インチCMOS、有効画素数48MP |
1インチCMOS 有効画素数50 MP |
1/1.3インチ CMOS 有効画素数 48 MP |
| レンズ | 広角カメラ 35mm換算 24mm f/1.8 中望遠カメラ 35mm換算 70mm f/2.8 |
35mm換算 24mm f/1.8 | 35mm換算 24mm f/1.7 |
| 動画撮影 | 4K HDR/60fps 4K/120fps |
4K HDR/60fps 4K/120fps |
4K HDR/60fps 4K/100fps |
| カラーモード | ノーマル (10bit) / D-Log M /HLG |
ノーマル (10bit) / D-Log M /HLG |
ノーマル (8bit) / DD-Log M /HLG |
| 内蔵メモリ | 42GB | 42GB | 2GB |
| ジンバル操作可能範囲 | チルト軸 -90°~60° パン -5°~5° |
チルト -90°~55° ロール -180°~45° |
チルト -90°~60° ロール -90°または0° |
| 障害物検知タイプ | 前方LiDARと機体底部にある赤外線センサーで補完された全方向デュアルビジョンシステム | 前向きLiDARと機体底部にある赤外線センサーで補完された全方向デュアルビジョンシステム | 全方向デュアルビジョンシステム、機体底部にある3D赤外線センサーで補助的に使用 |
| 映像伝送システム | O4 | O4+ | O4 |
| 最大伝送距離 | 10Km | 10Km | 10Km |
「※」はインテリジェントフライトバッテリーPlus