先月は、トルコでのドローン撮影に向けた準備として、飛行許可エリアの確認方法や撮影計画についてお伝えしました。そして今月は、実際にトルコの各地でドローンを飛ばした経験と、そこで得られた予想以上の成果についてご報告したいと思います。
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入念な準備が実を結んで
事前の計画通り、カッパドキア、パムッカレ、サフランボル、クシャダス、イスタンブールの各地で、ドローンを飛ばすことができました。ツアー旅行だったため、1カ所での撮影時間は準備を含めて20~30分程度。その限られた時間の中でも、事前の準備のおかげで、ほぼ狙い通りの映像を収めることができました。
撮影機材
- ドローン撮影:DJI Mini 4 Pro
- 地上撮影:Leica M10 + Wide Angle Tri-Elmar/50mm Summilux
思いがけない感動との出会い
カッパドキアの朝
特に印象的だったのは、カッパドキアでの早朝撮影です。夜遅くにチェックインしたホテルは、朝になって初めてその立地の素晴らしさを知ることになりました。
ベランダからのドローニー撮影では、最初は私たち夫婦の姿だけが映っているのですが、ドローンが後退するにつれて、私たちが滞在していたホテルが、実は壮大な奇岩群の中に佇んでいたことが劇的に映し出されていきます。
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サフランボルの発見
可愛らしい「街ねこ」との出会いをきっかけに、地上での撮影を楽しんでいました。その後、同じ場所をドローンで空撮してみると、その猫が暮らす街並み全体が、まるでおとぎ話のような赤茶色の屋根で統一された美しい景観を持っていることが分かりました。
リゾートの夕暮れ
エーゲ海に面したクシャダスのホテルでは、ベランダから沖に停泊する豪華客船のバックに沈む夕日までを一連の動きで収めたドローニーで、リゾート地ならではの開放感を撮影することができました。
パムッカレの現実
考えさせられたのは、パムッカレが直面する現実でした。
地上からは美しい水景として写る石灰棚も、空からの撮影で見えてきたのは、水不足によりほんの一部にしか水がないという切実な問題でした。その現実をドローン映像で抑えておくことができたのは貴重な体験だったと感じています。
朝日に染まるボスポラス海峡
マジックアワーのボスポラス海峡を撮影するために一人早朝に撮影へ向かいました。アジアとヨーロッパを分かつ海峡に朝日が昇り、街全体がゴールデンアワーの光に包まれていく様子を収めることができました。
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船舶のシルエットと、色づく空と海面のグラデーションに見とれていたとき、妻から「早く戻ってこい!」という電話が。この光景を見ていた私は、後ろ髪を引かれる思いでホテルに戻るしかありませんでした。
家族との新たな発見
これまで私のドローン趣味に対して、妻は「また新しいおもちゃ?」と冷ややかな反応で、特に興味を示すこともありませんでした。しかし、カッパドキアでの早朝の映像を見せたとき、その反応は一変しました。
「私たちのホテル、こんな絶景の中にあったの!?」という素直な驚きの声。
その後は、撮影のたびに隣で画面を覗き込み、地上からは見えない景色に感動してくれるようになりました。
ツアー参加者の方々にも映像をお見せすると、「こんな角度から見たことない!」「素晴らしい!」と驚きの声が。思いがけず、ドローンが旅の仲間との交流を深めるきっかけにもなりました。
新たな可能性を見つめて
今回の旅行を通じて、ドローンには「新しい視点での感動」を記録し、共有する力があることを改めて実感しました。地上からは決して見ることのできない風景との出会い。そして何より、その感動を大切な人たちと分かち合える喜び。
妻も「次はどこで飛ばすの?」と前向きになってくれて(散財も許してくれそうで)嬉しい限りです。
皆さんも、ぜひ大切な人と一緒にドローン撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか。その感動は、きっと期待以上のものになるはずです。