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コラム遠藤 祐紀

[空飛ぶマシンに魅せられて]Vol.05 「空物ラジコン」はいつか落ちる運命にある

2016年7月27日

空物は必ず落ちる

至って当たり前のことなのだけれど「空物ラジコン」はいつか落ちる運命にある。昨今のマルチコプターの様に手放しでもホバリングしてくれるマシンからこの世界に入ってしまうと、「墜落する」という感覚が希薄になってしまうので、一般的なトラブルのイメージは障害物への接触や、ランディングでの立ちゴケなど、致命的な墜落とは性質の異なる、運用上のミス的な認識になってる感がある。

Contents
空物は必ず落ちるフォールトトレランスコントロールの重要性安定度が高いことで油断する

僕は2014年11月に起きた湘南国際マラソンでの墜落事故を眼の前で目撃しているのだけれど、そもそもオフィシャルで空撮を担当していたのは僕達AIR FLEETチームだったので、スタート地点でランナーの頭上にならない様に、ギリギリのラインでフライトしていましたが、その墜落させた業者は何を勘違いしたか、数万人のマラソン大会に1000mmサイズのオクトコプターを持ち込んで、あろうことにランナーが渦巻くコース頭上の空域に侵入。不安定で異常な動きを見せた後、高度を上げて回避することも無く、真横になって落下してしまいました。

ENDO05_000

※許可を得て、所定の手続きを踏んだ上での空撮写真です

僕の居た位置からは群衆の中に落ちたように見えたので、正直な話、膝が震えたし、流血の惨事だろうなと思ったほどです。姿勢を戻そうと頑張るプロペラは凶器と同じです(涙)。実際には冠スポンサーの関係者さんが怪我をされましたが、命に別条はなく、不幸中の幸いだったと思います。しかし、当時の動画を見る限り、十数センチずれていたら、頭部へ直撃の可能性もあったので、思い出すだけでもゾッとします。

フォールトトレランスコントロールの重要性

現在のフライトコントローラーは、6発機以上であればモーターやアンプが複数ストップしてもホバリングを続けることができますが、Phantomシリーズや、Inspire 1などのクアッドコプターは、ワンモーターストップで即墜落です。

ノーコンで風に流されて見失うよりも、直下に落ちる方がシンプルで安全という考え方もありますが、高価なカメラを積んでいる以上、可能ならばホバリングを続けていてほしいし、その猶予時間内にソフトランディングさせたいというのが本音です。しかし、クアッドコプターでそれを求めるのは無理ですし、航空法における、催し物場所での頭上飛行許可も、ハードのトラブルでホバリングを続けることができない4発機では承認がおりません。

安定度が高いことで油断する

ENDO05_001
※許可を得て、所定の手続きを踏んだ上での空撮写真です

PhantomやInspire 1でのフライトは信頼性が高く感じるので、意図せず落下して、直下の人や物に損害を与えるというイメージすらないかもしれませんが、プロペラの離脱や破断、モーターやアンプが燃えたり、バッテリーの電圧低下による全モーターストップや、強制ランディング(初期の頃には原因不明の全モーターストップなんていうのもありました)。単に川や海、山林に落下するだけならば運が良いですが、直下の何かに損害を与えたりしたら、泣くに泣けません…。

バッテリーを並列で使用する冗長化や、フォールトトレランスコントロールの様なホバリングを維持できるシステムがあれば、メイン電源の全喪失などという深刻な事態が起きない限り、即墜落などという悪夢は大抵防げるわけです。とはいえ、最近はクアッドコプターの運用がメインストリームになっているので、上記のような知識を持ち合わせていない方は、どのような状態下で墜落する可能性があるのか、事前の知識は持ってもらいたいと思います。

更に、トラブル時のシビアな状況下には、様々最適なリカバリー方法が存在しますが、普段から知識として身につけておく事が非常に大事ですし、実際に起きてしまった時の現場対応力なども磨いておかなければいけません。はたして自分にどれだけの技量や知識があるのかと問われると、なかなか完璧とはいきませんが(汗)。

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TAGGED: ドローン, 空飛ぶマシンに魅せられて
shizuka 2016年7月27日
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