区画整理が行われていないような東京都内の住宅地の一部などは道路が狭隘で、大型のはしご車の進入を拒んでいる。火災が起きれば、消火活動がままならなくなるおそれがある。
そこで本機が出番となる。地上から口径40mmのホースを通じて水を圧送し、ホースを引きあげながら高度約30mまで上昇して、毎分400Lを放水する。本機のペイロードは50kgとなっており、水が満載されたホースでも十分に運搬可能だ。
消火活動の現場では放水ホースを消防士が踏ん張りながら掴んでいる。これは放水すると発生する反力に耐えているためでもある。ドローンで放水する場合でも同様で、反力への対策が必要となる。本機の場合は機体の操縦者とは別にホースを管理する担当者を置き、徐々にホースに圧をかけるような送水方法をとる。これに加えて飛行の制御プログラムでも管理することにより、反力に対処するようにしている。

一刻一秒を争う消火活動の現場では機体の展開から飛行開始まで、迅速に行わなくてはならない。本機はアームを折りたためば1m程度とコンパクトだが、展開すると3m近くになる。ホースなどが散乱する現場で展開スペースの確保は課題となっており、いかに手際よく運用開始するか、検証を行っている。
本機は官公庁や消防機関への導入を見据えて、フライトコントローラーをはじめとする基幹システムを国内で独自開発する。サイバー攻撃などのセキュリティリスクに配慮した設計となっているのが強みだ。将来的には、高ペイロードを活かして重量物の輸送など、DJI「Fly Cart」シリーズの代替もねらう。
このほかブースでは、給電装置に接続され、30m上空から定点監視を行うドローン「HOVER EYE」や、狭小空間の点検に使用可能な「ASIO X」などが展示された。

