情報通信分野では唯一とる公的研究機関である情報通信研究機構。Japan Drone 2024では「169MHz帯マルチホップ長距離無線伝送技術」、「機体間の直接通信に基づくドローンの自律隊列飛行及び自律衝突回避技術」の研究成果を紹介した。
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169MHz帯マルチホップ長距離無線伝送技術
「長距離無線伝送技術」とは、物資輸送ドローンが操縦者から見通し外となり、制御不能となるケースに対応するため、中継するドローンを介在して制御するというもの。169MHzと920MHzの電波を切り替えながらドローンを制御する。
担当者は、次のようにコメントする。
電波は周波数が低いほど、遠くへ飛ぶ特性があります。169MHzの電波を使用すれば、10km先まで通信することが可能。現在は遠くまで電波を飛ばせる無線機がないかと問い合わせがあり、実証実験を行っています。一例では火山の観測があります。人が立ち入れない場所の計測をドローンにさせたいのですが、山が立ちはだかり電波が直接届かないので、中継ドローンを経由して制御するという検証をしています。
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自律ドローン隊列飛行
「自律隊列飛行」は複数機のドローンが編隊を組み飛行すること。このときに注意しなくてはいけないのが、お互いの位置を把握し、距離を適切に保つことだ。NICTでは操縦者を介在しなくてもドローン同士がお互いの位置情報などを通信する「ドローンマッパー」を開発し、実証実験に成功している。
担当者は、次のようにコメントする。
1台のドローンを基準にし、残りの機体は基準機の位置情報を見ながら勝手についていくという仕組みです。あわせてほかのドローンが近づいてきたら自動的に避ける技術も開発しています。この技術をヘリコプターなど有人機にも搭載することで、ドローンが有人機に近づいたら自動で回避するというような使い方が実現できればと考えています。