以前よりも大幅増加、多くの機体が会場展示
2022年のXPONENTIAL会場では、DJIの機体向け製品やソフトはそれほど多く見られず、代わって大型機、固定翼、シングルローターが多く展示されていたように感じた。
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具体的に挙げると大型マルチローターでは、Doosan社の水素エンジン機、HARRIS社のHYDRONE、RT RoboticsのHERA、ORTHO DRONEなど他にも多くが展示されており、固定翼ではAergility社のATLISをはじめ、NASC社のTRACER、NARMA社のAF200など他にも多く展示されていた。シングルローター機もALPHA、SKEDLDER、Mission GO, HIGH EYE、RUPELなど多くの機種が展示会場で披露されていた。
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ソフトウェア関連の進化
ソフトウェア関連でも、これ迄のXPONENTIALでは多く展示されていたDJI機が得意な測量関連のソフトウェアよりも、公衆安全向けのソフトウェアやサードパーティ製の周辺機が多く展示されていたように思う。
また、つい先日DJI DOCKが発表されたばかりだが、今回のXPONENTIALでは自社製ドローンと自社製DOCKを組み合わせて展示しているPERCEPTOやEasy Aerialのような企業も気を吐いていたように思う。
Keynoteにも登壇したPERCEPTOは、フロリダ・パワー&ライト社と組んで発電所の定期検査を自社ドローンとドローンボックスですでに実用化している。これなどはこれまでDJI機でカバーしきれていなかった定期運行の自動化を他社が先行して実行した事例と考えられる。
DJIと違う領域に活路を見出す
多くの企業がDJIの活躍分野で勝負するのではなく、DJIの影響が少ない分野で勝負しようと領域変更を始めているのではないだろうか。例えば、水中ドローンを発表していたADVANCED NAVIGATIONは、元々空を飛ぶドローンをメインにしていたが、領域変更して水中ドローンに活路を見出したという。
また、これまでのXPONENTIALでは、ロッキード・マーティンなど軍と直接取引しているような企業ブース、製品の展示が多く、その技術を民間企業が後追いで追っかけているようなイメージがあったが、今回は民間企業の方が技術先行し、民から軍へと揺り戻しが起こっているように感じられた。
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国防総省がDIU(Defense Innovation Unit)を設立し、Blue sUAS基準を設けることで、Skydioなどが持つ最新の民間技術が軍に取り入れられるようになっていることでもその流れは明白だ。今後は、軍に取り込まれた技術がさらに実地で磨かれ、より実用的になり、飛行時間の長時間化、ペイロードの最大化とともに、より高度な自律飛行や安全対策が進化すると思われる。早くも来年の進化が楽しみになる展示会だった。ちなみにAUVSI XPONENTIAL 2023は、デンバーで5月8日から11日で開催される。