同コースは、地震・水害などの複合災害に対する実践的な対応力を養成する専門プログラムだ。
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コース開発の目的
2024年に発生した能登半島地震と豪雨災害は、複合災害における対応の難しさと、迅速かつ効果的な情報収集・支援活動の重要性を改めて浮き彫りにした。この経験から、私たちは、災害現場でのドローン運用に特化した実践的な訓練プログラムの必要性を強く認識した。
同コースは、実際の被災地をフィールドとして活用することで、机上の訓練では得られない貴重な学びの場を提供し、将来発生する災害に対して即応できる人材を育成することを目的としている。特に以下の点を重視している。
- 実践的な災害対応力の育成:実際の災害現場で起こりうる複雑な状況下での判断力と対応力を養成する。
- 地域防災力の向上:自治体、消防、警察、民間企業の防災担当者など、地域の防災活動の中核を担う人材のスキルアップを支援する。
- 経験の共有と継承:能登半島地震での経験を次世代の防災活動に活かし、被害の軽減に貢献する。
- 被災地の復興支援:訓練プログラムを通じて被災地を訪れる受講生の活動が、地域経済の活性化と復興を後押しする。
災害はいつどこで発生するか予測できないが、備えることはできる。本コースを通じて、ドローン技術を活用した災害対応の新たな可能性を切り開き、安全・安心な社会づくりに貢献していく。
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訓練の特徴
- 実際の災害現場を活用:令和6年能登地震・豪雨で被災した地域全域を訓練フィールドとして活用し、地割れ・崖崩れ・隆起など実際の自然現象から学ぶ。能登半島特有の沿岸部と山間部の特性を活かした高度な訓練を実施する。
- 3つの環境での訓練:沿岸部、山間部、市街地の各環境に特化した訓練を実施する。各地形特有の課題に対応できる実践力を育成する。
- 実践的なシナリオベース:実際の災害を想定したシナリオに基づき、情報収集から物資輸送まで総合的なスキルを習得できる。リアルタイムで発生する臨時ミッションにも対応する。
- チームベースの連携訓練:3-6名のチーム編成で実践的な連携訓練を行う。管制本部との連携や情報共有のスキルも習得する。

主な訓練内容
環境別訓練
[沿岸部訓練]
- 地震による港湾施設の損壊状況確認
- 津波警報発令時の状況把握
- 高潮による浸水被害の把握
- 港湾地区での火災発生時の延焼状況確認
- 漂流物の監視
- 孤立した漁港への物資輸送
- 強風・視界不良条件下での飛行
- 夜間捜索活動
- 複数地点への連続物資輸送
[山間部訓練]
- 土砂崩れ・土石流発生現場での状況確認
- 3Dマッピングによる土砂災害規模の測定
- 危険箇所の特定 孤立集落への物資輸送
- 急峻な地形での飛行技術
- 天候急変への対応訓練
- 夜間・悪天候下での高度な救援活動
[市街地訓練]
- 建物倒壊現場での要救助者探索
- 火災発生時の延焼状況確認
- 住宅密集地での浸水被害把握
- 建築物や電線など障害物環境下での安全飛行技術
- 避難所への物資輸送
- 空間の浸水状況確認
- 夜間捜索活動
- 複数箇所での同時対応

機能別訓練
[状況調査・捜索訓練]
- 高精細撮影技術
- 熱画像カメラを用いた要救助者捜索
- 3Dマッピングによる被災規模測定
- 視界不良時の捜索活動
- リアルタイム災害状況中継
- 複数エリアでの同時観測
- 管制本部との情報共有・分析
[3D作成訓練]
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- 建物倒壊現場の被害状況3D化
- 土砂災害規模の3Dデータ作成
- 河川堤防損壊状況の3D化
- 自律飛行による計画的撮影
- 精密測量技術
- 高度なデータ処理技術
- 広域エリアの3D化
- 時系列での地形変化把握
[物資輸送訓練]
- 食料・通信機器等の輸送
- 重量バランス調整技術
- 安全な物資投下技術
- 気象条件に応じた飛行ルート選定
- 地形特性に応じた輸送計画立案
- レベル3.5輸送訓練
- 複数地点への連続搬送
- 悪天候下での緊急輸送

訓練区分と費用
訓練区分 | 期間 | 費用 | 訓練概要 | 参加資格 | 習得資格 |
---|---|---|---|---|---|
速習訓練 | 1日間 | 税込11万円 | 災害現場での活動基礎学習、実データを使用した現場学習、インストラクターによるデモ飛行、短期間で災害活用の基本全般を体験 | ドローン関連資格不問、総飛行時間10時間以上 | なし |
機材訓練 | 1日間 | 税込11万円 | 調査捜索、計測、輸送の各機体の使用方法、撮影、映像伝送、自動飛行 | ドローン関連資格不問、総飛行時間10時間以上 | なし |
調査捜索訓練 | 2日間 | 税込33万円 | 災害現場での活動方法、空撮による現場状況把握、要救助者の行動原理 | 無人航空機操縦士2等以上または民間資格、総飛行時間50時間以上、目視外飛行経験 | ドローンビジネスマスター(減災:調査) |
計測訓練 | 2日間 | 税込33万円 | 災害現場での活動方法、写真およびレーザーによる現場計測、計測データの活用手法 | 無人航空機操縦士2等以上または民間資格、総飛行時間50時間以上、3D構築経験 | ドローンビジネスマスター(減災:計測) |
輸送訓練 | 2日間 | 税込33万円 | 災害現場での活動方法、空輸のための梱包、飛行特性、自動飛行、ハンドサインによる荷下ろし | 無人航空機操縦士2等以上または民間資格、総飛行時間50時間以上、物資輸送経験 | ドローンビジネスマスター(減災:輸送) |
総合訓練 | 3日間 | 税込44万円 | 災害現場での総合的な活動方法、調査・計測・輸送の実践的連携、複合災害対応シナリオ実習 | 無人航空機操縦士2等以上または民間資格、総飛行時間100時間以上、目視外飛行経験、物資投下経験 | ドローンビジネスマスター(減災:総合) |
インストラクター訓練 | 9日間 (総合訓練×3回) |
税込11万円 | 講習指導訓練、講習時のリスク判断および管理訓練、緊急事態に対する応用判断訓練、受講生評価方法訓練 | 総合訓練受講者 | ドローンビジネスマスター(減災:インストラクター)・独自計画の講習開催が可能 |

講師陣
災害現場での実務経験を持つ、飛行時間1,000時間以上のベテランインストラクターが指導する。
参加対象者
自治体職員、消防職員、警察職員、民間の防災関係者など、地域の防災力向上に関わる方々を対象としている。訓練区分によって参加資格が異なるので、詳細は問い合わせること。

注意事項
講習全般について
- 災害現場での飛行・作業となるので周囲の安全には十分注意し、迷惑のない行動をすること
- 万一の怪我や事故については自己責任となる
- ヘルメット、ゴーグル、安全靴などの装備は自身で準備する
- 安全ベストについては講習用に専用ベストを着用する
宿泊・食事について
- 宿泊、食事については自身で準備する
- 食事については、地元の方の迷惑とならない範囲で飲食店やスーパーを利用すること
- 宿泊については、できる限り地元の宿泊施設を利用すること
- 皆様の参加が地元経済の活性化にもつながる
ドローン飛行について
- 安全が確保された空域ではない
- 実際の災害現場での訓練となる
- 大型ドローンの飛行や、目視外飛行などリスクの高い飛行も行う
- 各種手続きが必要な場合には、事前手続きを完了したうえで受講してほしい

開催予定
今後の展開
月に一度の「総合訓練」を基本として、各コースを開催する。団体、職場などで5名以上で受講される場合には個別開催の調整も可能だ。
申し込み・問い合せ方法
お問い合せ | メール(info@drone-business.jp) |
確認 | 受講資格などを確認する。ドローンの経験や使用機材など、受講される方の情報を確認 |
申し込み | 専用フォームから受講希望日を選んで申込。 総合コースは月に一度程度開催を予定している。参加上限(6-10名)がある。 |
カリキュラム開発 | 一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会 岡山市北区本町6-36 info@drone-business.jp |
講習実施団体 | 一般社団法人Sky Mobility JAPAN 石川県珠洲市飯田町9部97-1 info@skymobility.jp |