※「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン(医薬総発0409 第1号、医政総発0409 第1号)」:医薬品の品質・安全性確保や患者様のプライバシー保護を目的として定めた、医薬品販売業者や薬局がドローンを用いて配送する際の基準
※フェーズフリー:平時と有事(災害時)を区別せず、普段利用している商品やサービスを有事にも活用できるようにすること
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背景と目的
近年、日本では豪雨や台風、地震等による災害が発生し、地域社会に甚大な被害をもたらしている。特に、災害時に孤立する可能性が高い地域においては、生命に関わる危機も予想される。
川根本町は総人口5,789人(2024年7月現在)で、静岡県の中央部に位置し、町域は大井川に沿った東西約23km、南北約40kmの南北に細長い形状となっている。面積は496.72km²(県全体の6.4%)で、約90%を森林で占められている。自然環境が豊かな一方、町の中心地から離れた地域が散見され、高齢化に伴い日常の買い物にお困りの方々の課題も抱えている。また、有事の際に孤立する可能性のある地域も多く、災害などで道路が遮断され交通手段がない場合の物資輸送が課題となっている。
アルフレッサグループは「すべての人にいきいきとした生活を創造しお届けします」という企業理念に基づき、事業活動を通じて社会・環境問題の解決に取り組み、持続的な企業価値の向上を図っている。また、アルフレッサグループのサステナビリティ重要課題において「地域社会への貢献」を掲げ、社会インフラとして医薬品等を「安心・安全・誠実にお届けする」安定供給に努めている。
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エアロネクストとNEXT DELIVERYは、2023年に災害時の孤立地域へのドローン配送を想定した実証実験を実施し、川根本町とエアロネクストは、過疎化等の地域課題の解決に向けて、ドローン配送実証事業を含む次世代高度技術の活用による新しい物流のビジネスモデルの構築を目的とした連携協定を締結した。地上輸送とドローン配送を連結した新たな物流インフラ、新スマート物流SkyHubの構築、社会実装に向け、2024年5月にSkyHubの拠点となるドローンデポを地震災害時の避難所にも指定されている旧中川根南部小学校に開設し、買い物代行やフードデリバリー、共同配送等のサービスを開始している。
この度、川根本町における課題解決に向け、アルフレッサは、エアロネクストおよびNEXT DELIVERYと協業し、アルフレッサの医薬品輸配送のノウハウ、エアロネクストの4D GRAVITY※をコアテクノロジーとする次世代ドローン技術、NEXT DELIVERYの豊富なドローン配送の実績とノウハウを組み合わせ、地上輸送とドローン配送を連結した医薬品配送を行う仕組みを構築した。
※4D GRAVITY:エアロネクストが開発したドローン機体の重心を最適化する機体構造設計技術。安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させることができる

平時からドローンによる医薬品配送が行われる社会を実現し、災害時などの有事にドローン配送を活用できるようにするため、ラストワンマイルの輸送手段として、フェーズフリーの考え方に基づいたドローン配送を活用した医療機関への定期配送を2025年4月22日から開始した。これにより、災害時も医療提供活動を支援するとともに、孤立などの課題解決も目指す。
ドローンによる医薬品配送について
(1)ドローン医薬品配送の実施基準
ドローン飛行は、航空法で分類されている「レベル3.5飛行」にて実施し、また、温度管理や施錠管理等の規制を定めた「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に準拠した方法で定期配送を実現している。
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(2)特徴
今回の取り組みは、「物流課題を解決する手法」「災害時に対応できるフェーズフリーの施行」として、10年後20年後の未来をつくり、少子高齢社会を迎える日本の将来を支えることに繋がると考えている。
(3)運用
アルフレッサ静岡物流センターからNEXT DELIVERY配送拠点(旧中川根南部小学校のSkyHubドローンデポ川根本町)まで、陸路で必要な医薬品を輸送する。配送拠点より遠方エリアをドローンもしくは車両にて配送する。1軒の医療機関から実装を開始し、今後川根本町内の医療機関へ拡充していく予定だという。

