JAXAは、衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)1)の提言書に基づき、デジタルやグリーン分野と衛星観測の融合を目指し、地球デジタルツイン構想を研究中だ。
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これに関連して、デジタルツインとして必要なAIにかかる今後の研究計画を検討するとともに、試作を行うプロジェクト「地球デジタルツイン研究に向けたAIの予備検討」の実施について、2023年11月に一般競争入札でリッジアイが採択された。
リッジアイは、本プロジェクトの仕様に基づき、災害対策や農林水産業での衛星データ利用を想定した対話型AI形式のプロトタイプを作成。今回作成したプロトタイプは、ユーザーからの地球環境に関する質問文の入力に対して適切な外部データを呼び出し、その外部データの解釈を行い、ユーザーへの回答を生成するというものです。生成AIにはGPT3.5/4技術を活用し、外部データとしてはJAXA Earth API 2)、Google Earth Engine API、およびJAXAのWebサイト(Earth-graphy、サテナビ)などの衛星データプラットフォームと接続した。
プロトタイプによる実行例
衛星データ(JAXA Earth API)の取得例
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質問:2020年1月1日の関東の地表面温度の最大値を教えて
回答:2020年1月1日の関東地方(東京を含む)の地表面温度の最大値は、約12.8度です。GCOM-C衛星のSecond-generation imager(SGLI)によってキャプチャされた地表面温度(LST)データを解析した結果、関東地方の最高気温は約12.8度であることがわかりました。

衛星画像の取得例
質問:020年1月のシンガポール海域付近の様子は?
回答:2020年1月のシンガポール海域付近の様子を見せることができます。以下は、シンガポール海域付近の位置に撮影された衛星画像です。

リッジアイでは、JAXAが研究を進めるこの地球デジタルツイン構想を支援するため、独自に提唱する「AI on TOP」という考え方に基づいた技術基盤を開発している。
「AI on TOP」とは、生成AI(LLM:大規模言語モデル)をインターフェースとした対話型のツールを提供し、衛星解析技術に詳しくない人が、だれでも簡単に、データの入手と解析ができるようにする未来のことを示す。JAXAの地球デジタルツインでは、外部のデータベース/レイク・処理エンジンに接続可能なAI on TOP基盤を構築する。
AI on TOP基盤は、プランニング機能、データインターフェース、インターフェース、処理エンジンインターフェース、解釈機能、提案機能の6つのコンポーネントを具備し、ユーザーとデータ・処理エンジンをシームレスにつなぐことが可能だ。
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AI on TOPの成長においては、まずマクロデータ・処理エンジンと提案型アウトプットによって、特定領域での衛星データ活用活性化を目指します。その後、順次領域を広げる活動を進め、領域間の連携、ひいては、消費者における衛星データの活用を目指すという。
リッジアイは、今後もデータ・AIを駆使した最先端技術とビジネス知見を用いて、さまざまな社会課題に取り組むとしている。