本基準の発行で、SkyDriveの空飛ぶクルマ固有の耐空性および環境基準の詳細がおおむね固まったため、今後の開発がさらに加速するという。
併せて、万博でのお披露目に向け、飛行試験を行っている「SKYDRIVE」を初公開した。
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![](https://d2llikhal5te33.cloudfront.net/wpdronenews/wp-content/uploads/2025/02/250210_skydrive_01.jpg)
これまでの経緯
SkyDriveは、2022年3月に空飛ぶクルマの型式証明審査の適用基準を「耐空性審査要領第 II 部(第61改正)」ベースで構築することについて、航空局と合意した。
この審査要領は、乗客数が19名以下かつ最大離陸重量8,618kg(1万9,000ポンド)以下の固定翼機の耐空性要件を定めたもので、第61改正は機体の特徴に合わせて安全性を示す方法をメーカーが柔軟に選択できる最新のものだ。
適用基準とは
型式証明の審査基準は、広範かつ複雑な作業の集積により策定されるものであることから、特に空飛ぶクルマのような新型航空機については、型式証明取得のために必要な全ての基準が事前に用意されているものではない。
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型式証明の取得を目指す個々の機種に特化した基準を設定するために、航空局と協議を重ねて要件が定まると、適用基準が発行される。空飛ぶクルマの適用基準には、例えば「バッテリ・セルを監視し、過電圧、電力不足、過電流、過熱といった状況にならないよう保護する措置を取らなければならない」といったような、電動機を備えた機体に特有の要件が含まれる。
今後の型式証明活動について
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SkyDriveの機体に特化した審査基準の詳細がおおむね合意に至ったことから、適用基準が発行された。この審査基準に基づき、すでに航空局と議論を開始した試験の実施時期や内容について合意し、証明計画を策定する。
その計画に沿って、地上試験や飛行試験をすすめる。なお、SkyDriveは日本の航空局とアメリカ連邦航空局(Federal Aviation Administration、以下「FAA」)に対する型式証明活動に同時に取り組んでおり、日本での型式証明取得後、米国でも速やかに型式証明を取得できるよう進めるとしている。
株式会社SkyDrive 最高開発責任者 Arnaud Coville氏は次のようにコメントする。
航空局にSkyDriveの機体に特化した適用基準を発行していただけたことを、大変嬉しく思います。私たちはこれまで航空局と建設的な議論を重ね、この重要なマイルストーンを達成することができました。適用基準の発行は、過去1年以上にわたって注ぎ込まれた膨大な努力の結晶です。FAAとの認証プロセスも進展しており、2024年は素晴らしい年となりました。
また、試験機は数カ月間飛行試験を行っていて、貴重な開発データを蓄積し続けるとともに、万博での飛行に向けて順調に開発が進んでいます。認証取得に向けたさらなる進展と、万博でのお披露目が予定されている2025年はSkyDriveにとって重要な年であり、良いスタートを切っています。