今回開発した資機材自動搬送ロボットは、工事用エレベータに積み込まれた資機材を所定のフロアで荷下ろし、建物のBIMデータから作成した自動走行用地図をもとに、フロアの所定の位置まで自律移動できることが特長だ。本年7月に大阪市内の建設現場で実際に自動搬送できることを確認した。
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建設工事では、工事管理上、必要な資機材を必要な場所に遅延なく供給することが重要だ。建設現場での資機材搬送は、建設作業員にとって付帯作業であるため、これを自動化することによって、より高いスキルが求められる作業に専念できるようになる。
本ロボットを活用することにより、休憩時間、夜間などの人が少ない時間にも資機材の搬送作業を自動で行うことが可能となり揚重・水平搬送効率の向上も図ることができる。
今後、2025年4月までに国内の建設現場において本ロボットの試行を重ね実用化を図る予定だという。
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さらに、建設RXコンソーシア2「資材の自動搬送システム分科会」の活動を通じて、適用現場数の拡大に向けた改良開発を進め、建設業界全体の更なる生産性や魅力向上を目指すとしている。
なお、本ロボットが商品化した際のレンタル窓口はアクティオが担当する。
資機材自動搬送ロボットの概要
資機材自動搬送ロボットは、本体上部に2D LiDARおよびバーコードリーダーを搭載している。
- 2D LiDARは前方270度の範囲の物体を検知し、自己位置の把握に利用する。2D LiDARで取得した点群データと建物のBIMデータから作成した自動走行用地図をマッチングさせ、自己位置を推定しながら設定したルートを自律走行する。
- バーコードリーダーは搬送対象となる資機材用パレットに貼付けた2次元コードの位置を検出するために利用する。
- 搬送ルート走行時に事前取得した地図にない障害物があった場合には、自動で停止する。
- 人がリモコンで操作することも可能だ。
仕様
外形寸法[㎜] | L2,386×W988×H920 |
---|---|
最大可搬重量[㎏] | 2000 |
本体質量[㎏] | 660 |
搬送対象 | パレット、台車、ボード材 |
自動搬送の仕組み
本ロボット、工事用エレベータ、竹中工務店が開発した「建設ロボットプラットフォーム(RPF)」、鹿島建設が開発した「自動搬送管理システム(JHSアプリ)」をそれぞれ連携させることで、資機材の自動搬送の仕組みを構築した。
「自動搬送管理システム」は搬送予約・調整、搬送ルートの指示および実績収集を行い、「建設ロボットプラットフォーム」は同システムから指示を受けて、各種ロボットの搬送経路をBIMデータと連動させて生成し、運行制御や状態管理を行う役割を担います。