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航空業界が脱炭素化に向けて取り組む中、水素航空機は2050年に二酸化炭素排出実質ゼロにする目標を実現する有望な技術のひとつだ。
超電導技術は、-253°Cの液体水素を燃料として使用するだけでなく、電気推進システムを効率的に冷却するため、水素航空機に特別な利点をもたらす。
超低温技術は、航空機の電動化にあたって電気システムにおけるエネルギー損失がほとんどない送電を実現するため、エネルギー効率と性能を大幅に向上させることができる。
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Airbusのシニアバイスプレジデント兼将来技術研究責任者であるグゼゴルツ・オムバッハ氏は、次のようにコメントする。
東芝ESSとのパートナーシップは、部分的な超電導モーターの利用や従来の電気モーターの性能を、今日存在するものよりも向上させる可能性があると確信しています。東芝ESSとの協力により私たちは、特にエアバスの将来の水素航空機に適した、新たなモーターの設計を開拓する可能性を秘めた技術の提供を目指しています。航空宇宙業界のニーズを満たす最先端の超電導モーター技術開発を実現させるため、両社の提携は理にかなった必然の結果でしょう
株式会社東芝執行役員で、東芝ESS・取締役兼パワーシステム事業部長である竹内努氏は、次のようにコメントする。
東芝ESSは、大電流を流すための超電導技術、精密な電流制御を可能にするモーター駆動技術、安定した高速運転を可能にする高度な回転機械技術に関する専門知識を有しており、このパートナーシップの強固な基盤を形成しています。我々は、航空機の未来を形成し、航空産業の脱炭素化を推進する上で、超電導技術が非常に大きな可能性を秘めていると考えています。エアバスとの協業は、航空宇宙分野の次世代技術の発展に重要な役割を果たすと確信しています
本共同研究において両社は、航空機に適用するモーターの性能を向上するのに重要な技術である、2MWの超電導モーターの開発を目指すという。
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本共同研究のパートナーシップは、本日より東京で開催されている「2024国際航空宇宙展」で締結された。エアバスのシニアバイスプレジデント兼将来技術研究責任者のグゼゴルツ・オムバッハ氏と株式会社東芝執行役員で、東芝ESS・取締役兼パワーシステム事業部長の竹内努氏が、エアバス・アップネクスト・クライオプロップ実証機および極低温技術(Cryogenics technology)責任者のルドヴィク・イバニェス氏と東芝ESS・パワーシステム事業部新技術事業統括の鈴木健介氏の同席のもと署名した。
Airbusはこれまで10年以上、超電導技術のリスク低減に取り組んできた。最近、エアバス・アップネクストは、2MW級の超電導電気推進システムの実証機「クライオプロップ」の開発を発表した。
一方、東芝ESSは半世紀近くにわたって超電導技術の開発と製品適用に取り組んできており、2022年6月にはモビリティ業界に適した2MW級の超電導モーターの試作機を発表している。
両社の共同研究は、Airbusが今年5月に開設を発表したテックハブ・ジャパンのプロジェクトで、最初の外部とのパートナーシップとなる。テックハブ・ジャパンは、航空宇宙分野における研究開発およびイノベーションを促進するパートナーシップを日本で構築し、次世代航空機の開発に向けた技術革新を推進している。