背景および目的
昨今、トラックドライバーの労働時間見直しに伴うトラック輸送能力の低下が社会課題(2024年問題)となっており、国の試算によると2030年には34.1%の輸送能力が不足すると言われている。
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持続可能な物流の実現に向け、陸送を長距離フェリーや鉄道に置き換えるモーダルシフトの推進、ラストワンマイルでのAIによる配送ルート提案等、課題に対し様々な施策を講じている佐川急便・セイノーHDと、自動運転トラックの技術開発を行っているT2が手を取り合い、運送オペレーションノウハウと自動運転技術を掛け合わせることにより、新たな運送モデルを創造、2027年にはレベル4自動運転トラックを活用した幹線輸送の実現を目指している。
幹線輸送は経済や国民の生活を支える大動脈であり、持続可能な物流を実現したいという3社の想いにより今回の実証実験は実現した。様々な条件下の公道において、運送事業者である佐川急便、セイノーHDの荷物を輸送することで、将来の事業化に向けた、知見の獲得や改善点の洗い出しが目的だ。また、今回の実証実験をきっかけに自動運転トラックでの幹線輸送実現に向けた協議会の設立も今後検討していくとしている。
実証概要
期間 | 2024年10月~2025年6月 |
場所 |
東京~大阪間 東名高速道路 新東名高速道路 伊勢湾岸道 名神高速道路 新名神高速道路 京滋バイパス |
参加企業 |
株式会社T2 佐川急便株式会社 セイノーホールディングス株式会社 |
実証内容 |
トラックレベル4自動運転に向けた高速道路上での自動運転 貨物を積載した幹線輸送における自動運転の路線検証 ※すべての実証実験はドライバー乗車の上、レベル2相当で行います。 |
関係社のコメント
T2 代表取締役CEO 森本成城氏
今回の実証は、2025年の事業開始に向けた重要なステップです。「日本の物流を共に支える」という大義に共感頂き、素晴らしいパートナーと共に自動運転技術を活用した未来の物流に向けたチャレンジができること大変嬉しく思います。今後、セイノーHD・佐川急便と共に自動運転トラックでの幹線輸送実現に向けた協議会の設立を目指しておりますが、本取組みを加速化させるべく、自動運転トラック幹線輸送に関わる幅広い業界の方々からの御賛同・御参画を切に願っております。
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佐川急便 取締役 輸送ネットワーク・施設投資担当 枝川和弘氏
物流業界においてドライバー不足により輸送能力が不足すると懸念されている中で、自動運転トラックは有力な輸送力確保手段と考えています。官民でのインフラ整備計画も進んできておりますので、実証実験による知見の獲得と社会からの認知が加わり、自動運転トラックによる輸送が早期に実現されることを期待しています。
セイノーホールディングス 執行役員 オープンイノベーション推進室室長 河合秀治氏
当社では、2024年問題や環境問題等の社会課題に対し、オープン・パブリック・プラットフォームの概念のもと、中長期の経営方針として『Team Green Logistics』のスローガンを掲げ、ロジスティクス・貸切・特積みの3つの領域を中心として他社連携に取り組んでいます。このような中、T2様・佐川急便様と共に実証実験に挑めることは、持続可能な物流を実現し、お客様の繁栄に貢献できると考えており、今般の連携を大変光栄に思います。