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名古屋大学ら、高温・極寒の宇宙環境に耐える熱制御技術を開発。月面探査車の長期活動が可能に

名古屋大学大学院工学研究科の西川原 理仁 准教授らの研究グループは、JAXAと豊橋技術科学大学大学院工学研究科との共同研究で、月面ローバが2週間の寒い夜を超えるためのヒートスイッチデバイスを新たに開発した

2024年6月12日
Contents
研究背景と内容成果の意義

近年、国際的な開発競争が激しくなっていている月探査の中で、月面ローバによる探索活動は、人類の活動領域の拡大など持続的な月探査の中心的役割と位置づけられ、非常に重要な役割を担っている。

月は2週間ごとに昼と夜が入れ替わり、月面ローバは昼の太陽が当たる時は100℃、夜の陰になる時は-190℃と、大きな温度差の環境の下で活動することが求められる。

そのため、月面ローバに搭載される電子機器を適切な温度に維持するために昼は放熱し、夜は保温するヒートスイッチ技術が必要だ。さらに月面ローバは使用可能なエネルギーが限られるため、省エネルギーでの動作も同時に求められる。

本研究では、低消費電力で冷媒の流動を制御可能な電気流体力学ポンプを新たに開発し、無電力で高効率な放熱ができるループヒートパイプと組み合わせることで、昼は無電力で放熱し、夜は低消費電力で極寒環境との断熱ができる熱制御デバイスを開発し、実験室環境での実証に成功した。本技術によって極寒の夜を耐えることができる月面ローバによる長期的な月探査活動の実現が可能だという。

本研究成果は、2024年5月17日付エルゼビアのジャーナル「Applied Thermal Engineering」に掲載された。

研究背景と内容

近年、宇宙開発において特に月探査の開発競争が激しくなっている。米国を中心に日本も参加する月探査の国際プロジェクト「アルテミス計画」では、月周回軌道における宇宙ステーション「ゲートウェイ」の建設や、有人の月面探査車による月面活動拡充などが計画されている。

中国では、無人探査機「嫦娥6号」が月の裏側に着陸し試料を地球に持ち帰る「サンプルリターン」に挑戦していまる。インドでは、2023年8月にチャンドラヤーン3号が世界初で初めて月の南極付近への着陸に成功した。

日本では、2024年1月にJAXAの小型月着陸実証機「SLIM」が世界初の「ピンポイント着陸」に成功した。また、国内の民間企業では株式会社ispaceが月探査に挑戦中だ。

月面ローバには、ミッションを行うための電子機器やバッテリー等が搭載されており、これらを適切な温度に維持する必要がある。昼は月面ローバが活動するため、電子機器は発熱する。

宇宙空間では空気がないため、この電子機器の発熱を積極的に冷却、放熱しなければいけない。一方、極寒の夜は電子機器が冷えすぎないように外の環境から断熱して保温しなければいけない。すなわち、昼夜をまたぐような長期的な月探査を行うには、昼の放熱、夜の断熱を切り替えることができるヒートスイッチ技術が必須だ。

さらに、月面ローバは地球から持ち込んだ電力および太陽光を主なエネルギー資源としており、使用可能なエネルギーが限られているため、省エネルギーで行うことも同時に求められる。

そこで本研究では、省エネルギーでヒートスイッチができる熱制御デバイスの開発を目的として、無電力で高効率な放熱ができるループヒートパイプ(LHP)と低消費電力で冷媒の流動を制御可能な電気流体力学(EHD)ポンプを組み合わせることで、昼は無電力で電子機器を冷却し、夜は低消費電力で極寒環境との断熱ができるこれまでにない新しい熱制御デバイスを考案した。

図1に開発したデバイスの動作の概略を示す。デバイスはLHPの液管部にEHDポンプが組み込まれている。昼はEHDポンプはオフの状態であり、LHPは通常動作し、月面ローバ内部の発熱を蒸気でラジエータに輸送し、ラジエータから宇宙空間にふく射で放熱する。

蒸気は液に凝縮し、月面ローバ内部にある蒸発器に戻り再度吸熱する。この作動流体の循環は蒸発器の多孔体で発生する毛細管力によって行われるため、電力は不要だ。

極低温環境となる夜においては、電子機器を保温するためにヒータ等で加温しても、LHPの動作により電子機器が冷えすぎたり、大きな電力が必要となったりする。そのため、EHDポンプによりLHPの流れとは逆方向に圧力をかけることでLHPの流動を止め、断熱ができると考えたという。

図1 本熱制御デバイスによる月面ローバーの越夜の様子

本研究では、上記で説明した提案を実証するために、新たにEHDポンプを開発し、JAXAの保有するLHPに組み込んで実験室環境で試験(図2)を行い、EHDポンプを動作させることによってLHP動作を停止させることに成功した。

具体的には、数値シミュレーションによるEHDポンプの電極形状の選定、設計、製作したEHDポンプの性能評価、EHDポンプを組み込んだLHPでの動作停止の実証試験、EHDポンプを手動バルブに置き換えた際の動作挙動の違いについて実証した。

図2 開発した熱制御デバイスの写真

成果の意義

これまでに開発されたLHP制御技術と本技術との比較を示す。

項目 ヒータ制御 受動バルブ制御 EHD制御(本技術)
重量 ◎軽 〇中 〇中
可動部 ◎無し △有り ◎無し
電気制御 能動制御 受動制御 能動制御
圧力損失 ◎無し △高い 〇低い
消費電力 △中 ◎無し 〇小
従来技術との比較

比較する技術は、LHP のリザーバーにヒータもしくは熱電素子を付けてLHPを制御する「ヒータ制御」、LHPの蒸気管に圧力や温度によって受動的に開閉するバルブを取り付けてLHPを制御する「受動バルブ制御」の二つだ。

ヒータ制御はリザーバーの外にヒータを取りつけるため、軽くて、可動部がなくて、LHPの圧力損失への影響のないのが利点だが、消費電力が数Wオーダーとなる。

一方、受動バルブは電気が不要なため消費電力が0なのが利点だが、可動部があり、バルブ内は流路が小さくなるため圧力損失が比較的高くなりる。圧力損失が高くなると昼の放熱時のLHPの熱性能に影響がでるという。

本技術のEHD制御はこれら2つの間の特長を有する技術であり、圧力損失は受動バルブより低く、消費電力はヒータ制御よりも小さくなる。実際に試験では、圧力損失はLHPが発生させることができる最大圧力の0.5%程度で、消費電力は30mW以下だ。

つまり、本技術は昼の放熱特性を落とすことなく、夜の保温を小さな電力で行うことができる。しかし、本論文では、全く新しいコンセプトである本デバイスを実験室環境で実証したまでで、月面ローバに実際に搭載するには、月探査で想定される様々な環境での試験やデバイスの改良が今後必要だという。

また、本研究はEHD技術をLHPの流動制御に適用した一例だが、これにとどまらず、宇宙機における熱流体制御技術として幅広く利用できるとしている。

図3に各種流動における熱伝達率注を示す。EHDは熱伝達率の高い、液体強制対流と沸騰・凝縮などの相変化を伴う熱輸送に適用可能であり、無重力下での新しい熱流体制御技術としてのポテンシャルが十分にあると考えられるという。

本研究は、2022年度から始まったJAXAとの共同研究によって行われたものだ。

図3 各種流動における熱伝達と無重力下でのEHD技術の可能性

▶︎名古屋大学

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kawai 2024年6月12日
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