独自の太陽電池材料の開発
髪の毛1本よりも20倍も薄い超軽量でフレキシブルな太陽電池モジュールは、光があるところならどこでも、さまざまな電子機器に電力を供給することができる。
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厚さ2.5マイクロメートル(1マイクロメートル=100万分の1メートル)以下の準2次元ペロブスカイト太陽電池は、高い柔軟性を維持しながら20.1%という驚異的な効率を実現する。とりわけ、44W/gという驚くべき出力密度は、他のタイプの太陽電池技術とは明らかに一線を画しているという。
動作信頼性が高く、安定性が高く、フレキシブルで、出力重量比の高い太陽電池を作るには、ガスや水分の透過性が低く、柔軟性が高く、透明なプラスチック基板と頑丈な光電池材料とのバランスが必要だ。薄膜に透明な酸化アルミニウム層を塗布し、さらに太陽電池材料自体を最適化することで、セルの動作安定性が大幅に改善された。
この研究の主執筆者の一人であるChristoph Putz氏は、次のようにコメントする。
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超薄型・軽量の太陽電池は、航空宇宙産業におけるエネルギー生成方法に革命をもたらす大きな可能性を秘めているだけでなく、ウェアラブル・エレクトロニクスやモノのインターネットなど、この新技術の恩恵を受けられる幅広い用途があります。軽量で適応性が高く、高効率の太陽光発電は、次世代の自給自足型エネルギー・システムを開発する鍵である。
日常使用のための技術
新技術の能力を実証するため、研究者たちは手のひらサイズの市販クアッドコプター型ドローンに超軽量太陽電池を搭載した。これらのセル24個はドローンのフレームにシームレスに組み込まれ、総重量のわずか400分の1を占めるに過ぎなかったという。
この構成により、ドローンは自給自足で動作し、有線充電なしで充電-飛行-充電のサイクルを連続して行うことができ、太陽電池がいかに効率的で持続可能であるかを実証した。
この新技術は、捜索救助活動、大規模マッピング、宇宙空間での太陽光発電、太陽系探査などに応用できる可能性があるという。
さらに最近では、火星ドローン「インジェニュイティ」が、地球からの打ち上げと他の惑星への着陸に成功した最初の航空機となったことで、自給自足型の太陽電池航空がいかに重要であるかを印象的に示したとしている。
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この論文は、Nature Energyに掲載された。