MightyFly、第3世代ハイブリッドeVTOL貨物ドローン「Centro」を発表。貨物45kgを最大965km輸送できる

この新型eVTOL機には、運航効率を高める洗練されたデザイン、幅広いペイロードの重心位置への対応、自律的な重心位置の決定、より大きな貨物室など、いくつかの斬新な特徴が盛り込まれているという。

MightyFlyは、2024年型Centroのいくつかの技術的特徴を明らかにした。

• ・タンデム翼の設計により、機体の重心を大きくトリムすることが可能
• ・信頼性向上と軽量化のための構造導体の採用
• ・空虚重量を減らし、ペイロード容量を増やすための複合構造
• ・メンテナンスを最適化するためのモジュール設計
• ・カナードをランディングギアとして使用し、空気抵抗の低減と効率の向上を図る

この新型eVTOLは、MightyFlyの自律型ロード・マスタリング・システム（ALMS）コンポーネントによって運用効率も改善されるという。ALMSは、貨物室ドアの自律的な開閉、貨物室開口部への荷物の受け入れと排出、内部位置決め・ロックシステムによる貨物室内の荷物の移動と固定、重量とバランスの感知と計算が可能だ。

これらの作業はすべて自律的に行われるため、オペレーターが機内で荷物を再配置する必要はなく、MightyFlyの自律型航空機の運航に必要な地上作業リソースを最小限に抑えることができる。MightyFlyは現在、アジリティ・プライム社および航空機動軍団とALMS機能の開発に取り組んでおり、米空軍の最も差し迫った自律型航空ロジスティクスのニーズを解決している。

さらに、MightyFlyの第3世代航空機は、比較的大きな範囲のペイロードの重心に対応できるように設計されており、貨物の内容、密度、構成、積載順序、タイダウン位置の高度なバリエーションを可能にしている。この設計特性は、Centroプラットフォームの重要な技術的差別化要因であり、その有用性は市場において極めて貴重で競争力のあるものになると期待されているという。

この機体の貨物室は、第2世代の先代機よりも大幅に大きくなっており、その大きさは、100ポンドのペイロード能力に対して荷物の数を最適化するために、広範な市場調査に基づいて設定された。

この貨物室の拡大により、移植用のドナー臓器や血液バッグの輸送に使用される従来のクーラーボックスを含む、より大きな荷物や物品の配送が可能だ。また、ロジスティクス、製造、ヘルスケア、製薬、小売、自動車、石油・ガスなどの業界や、人道支援や災害救援活動を行う組織、さまざまなロジスティクスや補給任務を遂行する政府の防衛チームなど、さらなる使用例やビジネスにも恩恵をもたらすとしている。

カリフォルニア州サンリアンドロにあるMightyFly本社で開催されたお披露目イベントでは、パートナー、投資家、潜在顧客、政府関係者ら多数の参加者を前に、航空機の能力を紹介するデモンストレーションも行われた。

MightyFly共同設立者兼CEOであるManal Habibは、次のようにコメントする。

MightyFlyの投資家の一人、Draper Associatesの設立パートナーであるTim Draper氏は次のようにコメントする

MightyFlyは、2024年1月初旬に第3世代機の初号機の生産を完了し、2月には、従来機で踏襲されていた試験計画を含む機体適格性試験を開始する。

2024年秋、MightyFlyはミシガン州で自律型貨物機による配送フライトを公開し、パートナーや潜在的顧客にポイント・ツー・ポイントの自律型配送ユースケースをデモンストレーションする予定だ。

MightyFlyはまた、2025年初頭に米空軍に対して荷物の自律的な積み下ろしとバランス調整の能力を実証し、さらに概念実証（POC）プログラムを実施する予定としている。

▶︎MightyFly