フランスのロワイヤンにあるVoltAeroの開発施設から実施されたこの飛行は、ハイブリッドパワートレインの電気モードと内燃エンジンを利用したもので、燃料はフランスのブドウ園に由来する廃棄物から製造されたバイオエタノールを原料とするTotalEnergiesのExcellium Racing 100を使用した。
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※Excellium Racing 100は、欧州連合が承認した自主認証機関が適用するマスバランスシステムに基づき、100%持続可能な製品として認証されている。
このデモンストレーションは、VoltAeroが電気ハイブリッド・パワートレインと持続可能な燃料の適用を検証するために運航しているCassio Sテストベッド機で実施された。
VoltAeroのCEO兼最高技術責任者(CTO)であるジャン・ボッティ氏は、次のようにコメントしている。
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ボッティ氏:初期結果によれば、Cassioのパワートレインを電気ハイブリッド・モードで運転し、内燃機関をTotalEnergiesのExcellium Racing 100で燃料を供給した場合、約80%という実に驚くべきCO2削減効果が得られました。これは、Cassioの量産機が、航空ピストンエンジンの標準的なAvgas 100ハイオク燃料に取って代わることで、航空界の脱炭素化目標に大きく一歩近づくことができる機会を強調するものです。VoltAeroがTotalEnergiesと共にこの偉業を達成したことを誇りに思います。この成果は、一般航空におけるバイオ燃料の将来の使用に向けて前進を示すものであり、現在進行中の持続可能な航空燃料(SAF)の導入を補完するものです。
Excellium Racing 100燃料は、2022年以来、有名なル・マン24時間耐久スポーツカーレースを含む特定の自動車競技で使用されている。ワイン製造の廃棄物から作られ、化石燃料と同等のものと比較した場合、ライフサイクル全体で少なくとも65%のCO2排出量削減を可能にするという。
TotalEnergies Aviation社長のジョエル・ナヴァロン氏は、次のようにコメントしている。
ナヴァロン氏:このデモンストレーション・フライトは、脱炭素化を目指す航空セクターのプレーヤーを支援するという我々のコミットメントの一環です。より広くは、鉛を含む航空ガソリンに代わるものを提供し、それによって一般航空の脱炭素化という課題に応えるべく、研究開発努力を続けていきたいという我々の意欲を示すものです。
VoltAeroのCassioシリーズは、地域の商業運航会社、エアタクシー/チャーター会社、個人所有者、また貨物、郵便配達、医療搬送(Medevac)用途のユーティリティ・カテゴリー・サービス向けに、高い能力と信頼性を備えた航空機製品ラインとなるとしている。
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VoltAeroの特許取得済み電気ハイブリッド推進システムを専用設計の機体に統合することで、Cassioは現在の競合機と比較して桁違いの高性能を実現し、運用コストを大幅に削減するという。
VoltAeroの推進コンセプトはユニークなものだ。Cassio航空機は、機体後部に搭載されたハイブリッド推進ユニットに電気モーターを利用し、タキシング、離陸、一次飛行(移動距離が150km未満の場合)、着陸の間はすべて電気で駆動する。内燃機関を備えたハイブリッド機能は航続距離延長装置として機能し、飛行中にバッテリーを充電する。さらに、このハイブリッド要素は、電気推進力に問題が発生した場合のバックアップとして機能し、真のフェイルセーフ機能を保証する。
VoltAeroの最初の量産機はCassio 330で、4/5人乗りの室内構成を持ち、330キロワットの電気・ハイブリッド複合推進力で作動する。続いて、電気ハイブリッド推進力480キロワットの6人乗りのCassio 480、電気ハイブリッド推進力600キロワットの10人乗り/12人乗りのCassio 600が発表される。