医薬品、従業員、および地域コミュニティの安全をより確実にするために、ドローンによる自動巡回を安全性と有効性の実証実験を経て、実用化に至ったという。
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同社が実用化したドローンは、車よりも環境への負荷が少ない手段として、人による夜間の巡回を補強するものだという。事前にプログラムしたルートに沿って自動飛行し、危険物取扱施設上空を巡回する。全球測位衛星システム(GNSS)および光工場内に設置した基地局からの位置情報を受信することで、1センチメートル単位での飛行設定が可能だ。
夜間撮影に適し、200倍のズームが可能な高感度耐性カメラと赤外線カメラの2つにより、人が視認できない建物内の高熱化も感知することで、いち早く火災を発見、対処できる。
また、万が一火災が起きた際、煙などで視界が不良になっていても火元を特定することが可能。ドローンの自動巡回中に不審なものや状況を認めた場合には、訓練を受け資格を有した警備担当がドローンを手動操作してより詳細な状況を確認し、必要な対応を検討する。なお、ドローンから送られる映像は、視聴権限を付与されたPCやタブレットを使ってどこからでも確認できるという。
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ドローンによる自動巡回の導入を主導した光工場EHS室長の山口健一氏は、次のようにコメントしている。
山口氏:当社は、すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために、データとデジタルの力でイノベーションを起こし、革新的な医薬品をお届けしていくことをお約束しています。
環境への負荷が低く、データやデジタル技術を組み込んだ自動飛行ドローンを、人による巡回を補強する形で活用することで、患者さんに革新的な医薬品を安定的にお届けする体制を整え、光工場で働く従業員と地域コミュニティーの安全確保に注力します。
さらに同社は光地区消防組合と災害時におけるドローンによる活動支援について、現在締結している「消防応援協定書」に追加する見直しを行い、再締結する予定だという。具体的には、災害発生後の捜索や被災状況の確認などのために、光地区消防組合からの要請に応じて当社からドローンを貸与するとともに操縦技術者を派遣する。
同社のグローバル マニュファクチャリング&サプライ ジャパン ヘッドのグレッグ・ティモンズ氏は、次のようにコメントしている。
ティモンズ氏:自然災害を始めとするあらゆる災害は、患者さんのみならず人々の健康に様々な形で影響を及ぼします。この度、災害後に引き起こされる二次被害を防止するために、災害におけるドローンによる活動支援を含めた光地区消防組合との消防応援協定書の再締結を通じて当社の工場がある地域コミュニティーに貢献できることを嬉しく思います。
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また、光地区消防組合消防本部の赤星公一消防長は、次のようにコメントしている。
赤星消防長:ドローンについては、近年頻発化している大規模水害や土石流災害において、その有効性が改めて確認されているところであり、また、大規模災害に限らず、常時発生する災害(火災、捜索救助等)に対してもドローンの俯瞰的視点からの情報収集は、非常に有用であります。この度、武田薬品と災害におけるドローンによる活動支援を含めた「消防応援協定」を再締結する運びとなり、大変心強く感じています。
同社は今後、異常事態の検出や人への警告にAIを活用していくことも視野に入れ、ドローン巡回から得られるデータをサプライヤーと積極的に共有し、ドローンのさらなる技術開発を支援していく方針だ。