同社は、「技術をビジネスのコアコンピタンスとした事業でグローバルな成長が期待される技術系スタートアップ」として認定され、第7回J-TECH STARTUP SUMMITに参加した。
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J-TECH STARTUP
J-TECH STARTUPは、日本のトップレベルの技術をビジネス化し普及させることを目的とする技術系スタートアップ企業の支援組織「TEP」(正式名称:一般社団法人TX アントレプレナーパートナーズ、代表理事:國土晋吾)が、技術をビジネスのコアコンピタンスとした事業で、グローバルな成長が期待されるベンチャー企業を「J-TECH STARTUP」銘柄として認定する取り組み。
書類審査、オンライン面談による審査により、「事業の革新性」「経済的な発展」「社会的影響力」「事業の実行力」の面から評価が行われる。
基幹技術である高速通信やAIエンジン、CPU/GPU技術などに代表されるDeep Tech(コア技術)は、裏方的で理解が難しく、製品化までに時間と人的リソースを必要とする。そのため、事業化リスクが高く投資等のサポート体制は十分とは言えない。しかし、基幹技術であるDeep Techなくしてアプリケーションは成り立たないという。
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アプリケーションとDeep Techは車の両輪であり、相互の発展によって真の価値や利便性を社会にもたらすことができる。このようなことから、シリコンバレーでは、サービス系技術を提供する会社への集中的な投資から、AI、IoT、バイオ、宇宙、エネルギーなどのDeep Techへの投資が積極的に行われている。
「TEP」では「J-TECH STARTUP」として認定されたDeep Techスタートアップ企業を「J-TECH STARTUP SUMMIT」で紹介し、Deep Techスタートアップの重要性に注目し、サポート体制を確立するために必要なことを議論していくという。そして「J-TECH STARTUP SUMMIT」を通じて、スタートアップと大企業や支援組織とのネットワーキングを行い、技術系スタートアップ成長のためのエコシステム構築を目指すとしている。
Piezo Sonic のDeep Tech(コア技術)
ピエゾソニック モータ高トルク化と長寿命化に成功した回転型超音波モータ(特許取得済)。小型・高トルクでありながら静音性が高く、電力ゼロ(非通電・非制御時)でも姿勢を維持することが可能という特徴がある。
このモータは駆動源として圧電セラミックを利用しており、モーターの大型化・重量増の原因となるマグネットやコイルを利用していないため、他方式のモーターと⽐べ非常に薄型、軽量であり、ロボットや位置決め装置装置用モータとして最適だとしている。
JAXAが求める次世代モータの開発プロジェクト(RFP9)にも採択され、今後、より大きな力が出力可能な製品の発表が期待されているという。
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不整地での自動搬送を実現するAMR:Mighty-D
Mighty-Dシリーズは日本の月面探査ロボットの機構を応用した特殊なサスペンション機構と「待機電力ゼロで姿勢を保持」できるピエゾソニック モータをステアリングに搭載したことにより、15cmの段差乗越え、その場旋回、真横移動が可能は搬送用AMR。屋外・屋内の多くの場所で路面状況を気にすることなく走行できることが大きな特徴だ。
2021年より販売を開始したMighty-D3はPiezo Sonic社の設計コンセプトである3C(Cool、Cute、Compact)に基づいてデザインされており、人の生活環境に適応するサポートロボットを目指している。
搭載しているカメラとセンサにより目的地までの自動走行に加え、人やマーカーを認識した追従走行ができ、市街地や病院、高層マンション等での非接触・非対面物流や遠隔応対を実現。現在、本格的な導入に向け、工場やプラント、屋外と屋内の移動を要する施設などでの試験導入が進んでいるという。
Mighty-Dシリーズは搬送業務だけでなく、計測や案内、作業支援ロボットの移動ロボットプラットフォームとしても活躍できるよう、ハードウェア、ソフトウェアともに継続的に開発を進めていくとしている。
J-TECH STARTUP SUMMITにて
Piezo Sonicは、J-TECH STARTUP 2022認定企業として「第7回 J-TECH STARTUP SUMMIT」に参加し、プレゼンテーションと実機展示を行った。J-TECH STARTUP 2022の認定証の授与式も実施され、プレゼンテーションとあわせてオンライン配信が行われた。
同社代表の多田興平氏は次のようにコメントしている。
多田氏:J-TECH STARTUP SUMMITの当日、会場に足を運んでいただいた多くの方にはピエゾソニックモータとMighty-D3の実機を見ていただき、また今後の開発に有益なご意見をいただくことができました。スタートアップがより知名度・認知度を高めることができるこのような機会をいただき、大変感謝しております。
今後も協力企業様との連携を強め、お客様に喜んでいただける製品の開発に取り組みます。
Piezo Sonicの今後の展望
ピエゾソニック モータは待機電力ゼロで姿勢を保持できるため、消費電力を抑えたい装置やロボットへの活用が進んでいる。また、精密な移動が求められる半導体製造装置や高度な医療機器であるMRI装置では、通常のモーターでは高トルクと低速安定動作の両立が困難であるため、「磁場環境用非磁性モーター」としてピエゾソニック モータが大きな注目を集めているという。利用シーンを拡げるため、今後はより高トルクなモーター、中空や小型化などのラインナップの拡充を進める予定。
搬送用AMR:Mighty-Dシリーズは「その場旋回」や「真横移動」を利用した細やかな移動が可能な搬送ロボット。平地はもちろん、月面探査ロボットの機構を応用したサスペンションにより、不整地の走破能力にも優れている。このため、移動して計測を行うロボットや移動を伴う案内や作業を行うロボットの移動プラットフォームとしての展開も考えてるという。
Piezo Sonicは東京から情報を発信する「モーターとロボティクスのハードウェアスタートアップ」として、ピエゾソニック モータ及び搬送用AMR:Mighty-Dシリーズの継続的な開発を続ける方針。