ENEOSとセンシンロボティクスは、約3年にわたり配管点検データの取得に関する検証を行い、開発を重ねてきた。今回開発した技術では、配管検査として撮影を行うドローン航行の自動化を図ることで、撮影品質の均質化と検査実施者の操縦技術への依存低下が可能になるという。
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製油所内には膨大な数の配管が存在し、重点箇所を中心に日々検査が行われているが、近年では設備の高経年化に伴い、従来以上に検査の重要性が増してきている。また、熟練エンジニアの退職に伴う技術伝承の難しさなどの課題も浮き彫りになっている中で、検査による不具合の発見遅れは設備停止や計画外修繕に至る場合があり、設備保全費用の増加や設備保全担当者の負荷につながってしまう。これら課題の解決手法としてドローンの活用が注目を集めているが、操縦技術を持った人材を育成するためには時間・コストともに発生することから、導入にあたってのハードルが高くなっていた。
操縦者の技量によらず均質なデータ取得が可能に
自動航行ドローンは、ドローン操縦者の技量によらず、対象物に対して同一ルートでドローンを航行させられることから、均質な撮影データの取得が可能となり、過去データとの比較を容易に行うことができる。また、従来はドローンの航行ルートを人が指定することが大半だったが、今回開発した技術では、障害物・危険区域などを考慮した上で、ソフトウェアがドローンの航行ルートを自動で算出・作成する。これにより、誤って危険区域に設定するなどのヒューマンエラーを防ぐことができ、より安全な航行を実現するという。
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同技術は、2024年3月末までにENEOSの7製油所(仙台、鹿島、根岸、堺、水島、麻里布、大分)に導入予定。両社は、取得した配管点検データを基に劣化予測や最適な保全計画の立案につなげ、点検業務におけるDXの実現を目指すとしている。