これを受けて両社は、日本の安全保障用途の衛星に使用する衛星バスの共同開発・製造に向けた協業に合意したことを発表した。
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防衛・宇宙のリーディングカンパニーである三菱電機と、軌道上サービスに取り組むスタートアップ企業であるアストロスケールとの連携により、宇宙の持続利用に資する衛星コンステレーション(複数の人工衛星からなる衛星群)を構築し、安全保障に貢献するという。
共同開発・製造を目指す当該衛星バスには、アストロスケールのドッキングプレートを搭載し、同社の捕獲衛星による除去を可能にし、運用終了時に自身で軌道離脱できない場合の除去を想定している。
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アストロスケールのドッキングプレート
アストロスケール創業者兼CEOの岡田光信氏は、「現代の生活は、衛星を使ったサービスに依存しています。衛星が運用される軌道の環境が乱れ、使用できなくなってしまうと、現在の生活水準を維持できず、取り返しのつかないほど変化してしまうでしょう。宇宙は、すべての商業、民間、および防衛部門が共有する特殊な領域です。衛星バスの開発における三菱電機との提携を通じて、宇宙の安全保障・防衛、並びに持続可能性(スペースサステナビリティ)に貢献できることを嬉しく思います。」と、本提携の意義を語った。
また、同社は、三菱電機株式会社のほか、実業家の前澤友作氏、株式会社三菱UFJ銀行、三菱商事株式会社、株式会社日本政策投資銀行、株式会社FELからも資金調達を実施し、シリーズGにおいて調達額は約101億円となった。7回目となる今回の資金調達により、累計調達額は約435億円に上る。
同社は現在、多くのミッションやプロジェクトを進めている。大型デブリ(宇宙ゴミ)除去等の技術実証を目指す、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証フェーズⅠの契約相手方として選定、契約締結され、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ)」を開発している。ADRAS-JはRocket Labのロケット「Electron(エレクトロン)」による打上げを予定しており、軌道投入後、非協力物体である日本のロケット上段への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行うという。また、同プログラムのフェーズ IIにおけるフロントローディング技術検討の契約相手方の一社にも選定されている。
アストロスケール、JAXA宇宙ごみ除去実証で前倒し技術検討契約に採択
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軌道上サービスへの需要と期待に応え、開発を加速するために、アストロスケールは英国・米国・イスラエルにおいて新拠点を開設したほか、グローバル本社の新拠点を今年東京に開設予定だとしている。