DJI JAPAN株式会社は、3月13日~15日までの3日間、幕張メッセにて開催中の民間ドローン産業の国際展示会「ジャパン・ドローン2019」の同社ブースにて報道関係社向けに「DJI JAPAN事業/製品説明会」を開催した。
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今年のDJIブースのテーマは“「飛ばす」から「その先」へ”
同説明会では同社の代表取締役 呉韜氏より、DJI事業展開についてのプレゼンが行われ、また、プロダクトマーケティングマネージャー 皆川正昭氏からは産業ドローン関連製品についての紹介が行われた。
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DJI JAPAN株式会社 代表取締役 呉韜氏
呉氏:今年のブーステーマは“「飛ばす」から「その先」へ”です。2017年、「ジャパン・ドローン」に出展した時にはTEAM DJIを発足しました。本日まで、業務用ドローンの分野では様々な企業と色々なコラボレーション、そしてドローンの利活用を行ってきました。今年のブースでも様々な企業に協賛いただいて実現しています。この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。
コンシューマードローン製品としてはPhantomシリーズや、Mavic、Sparkなどの小型ドローンも提供しています。業務用ドローンとしては、農業ではAGRAS MG-1、測量・点検・防災などではPhantom、Phantom 4 RTK、Mavic 2 Enterprise、Matrice 200などを中心としたプラットフォームを提供してきました。Matrice 200シリーズは今年の2月にモデルチェンジを実施しました。
DJIはドローンの産業利用を推進するために2017年にDJI ENTERPRISEという部署を新たに設立しました。産業ドローンビジネスに本格的に参入してまいりましたので、少しデータを紹介していきたいと思います。
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日本は近年、農業ドローン、特に農薬散布ドローンでは飛躍的に成長しています。弊社は2017年3月にMG-1を日本市場に導入しました。現在は既に1800名を超えるオペレーターとそれに近いドローンが活用されるようになりました。
我々が思うには、日本での業務用ドローンの活用には最も重要な要素は「安心」「安全」となるのではないかと思い、それを実現するために弊社が取り組む3つの方向性として現状を紹介していきます。
まずはやはり機体の安全機能の強化です。DJIの業務用ドローンの最大の特長ともいえる衝突防止機能は標準搭載しています。Matrice 200シリーズでは、多種類の衝突防止センサーを搭載しています。上部にはレーザー、前方にはステレオといった衝突防止センサーを搭載しており、様々な環境で使用して利用できます。
最新の農業用ドローンT16では、気圧センサーで冗長性を向上しています。農業での使用環境を想定し、高精度なレーダーを搭載しています。そして、有人機との接触を回避するために、業務用ドローンではAirSenseを搭載しています。ADS-Bを搭載する有人機から位置・高度などをリアルタイムに受信でき、飛行制限や情報を共有することで空域の安全に役立ちます。
そして、GEOシステムを更新しています。GEOシステムは飛行禁止エリアを管理する機能です。これからのオリンピック会場周辺でも一時的に飛行制限をさせることが可能になります。今回更新したGEO 2.0では、滑走路などの詳細な空域設定ができ、昨年はアメリカで導入され、最近ではヨーロッパの24カ国以上で導入されました。
ドローンを安心して使うには教育も非常に重要となります。昨年の9月にドローン専門トレーニングセンター(UTC)を開校しました。現在日本ではUTC/農業/DJI CAMPをあわせて教官が約690名、オペレーター4800名を育成しています。ただ飛ばせるだけでなく、業務に活かせるドローンの講習も提供しています。
今年は新たなプログラムを提供したいと思い「Phantom 4 RTK写真測量講習プログラム」を発表しました。このプログラムは、国際航業株式会社と業務提携契約を締結し、最短1日で写真測量の基礎を習得できます。
また、業務用ドローンにはデータの安全性が求められています。機体と送受信機間の暗号化を強化しており、AES-256規格の暗号化を使用しています。重要な業務情報を確実に保護し、承認された関係者のみアクセスできるようになっています。そして、ドローンから得た情報の管理も重要です。弊社ではまずローカルモードを提供しており、インターネットなどの外部との情報通信と遮断できるため安心して使用できます。
ドローンは安全・安心であるからこそ、その先があると考えています。DJIは今後とも、パートナーシップ各社と連携し、さらに空からの価値を生み出し、提供していきたいと思っております。
皆川氏からは「MAVIC 2 ENTERPRISE」シリーズや、産業用ドローンの最上位モデル「Matrice 200シリーズ」について紹介が行われた。
DJI JAPAN株式会社 プロダクトマーケティングマネージャー 皆川正昭氏
皆川氏:2018年秋に発売した産業用ドローン「MAVIC 2 ENTERPRISE」シリーズは、折りたためるコンパクトなドローンです。消防、警察、森林管理などの現場で導入されています。今年に入ってからは10台以上の一括導入案件が増えており、ドローン群(フリート)で運用する事例が増えています。MAVIC 2 ENTERPRISEシリーズの発売により、ドローン市場が少しずつ変わってきています。
MAVIC 2 ENTERPRISEシリーズ
MAVIC 2 ENTERPRISEシリーズには、「スポットライト」「スピーカー」「ビーコン」と、3つのアクセサリーが標準搭載されている。スピーカーは事前に録音したカスタム音声を再生でき、大勢の人を誘導する時に活躍するとしている。スポットライトは暗い場所での作業を支援する。松濤を回避するビーコンは、安全に夜間の業務を遂行する機能で、近くを飛行するドローンや航空機に対して注意喚起を行う。
MATRICE 200シリーズV2
皆川氏:Matrice 200シリーズは、空撮による点検や検査、データ収集などの産業利用を対象としたエンタープライズ向けの最上位機種です。2019年2月には機能強化した二世代目となるMatrice 200シリーズV2をリリースしました。活用いただく業務や分野に合わせて3つの中から選択できます。
DJIは安全性を重要視しています。上部と底部に衝突防止用に光るビーコンを搭載しています。夜間や低照度間でも機体を確認でき、難しい場合のオペレーションも安全に行うことができます。また、全面、底面、上面には障害物センサーを搭載し、映像伝送システムにはOcuSync 2.0を採用しています。さらに付近の航空機やヘリコプターのリアルタイム情報を操縦者に提供するDJI AirSense機能を備え、空域の安全性も確保しています。DJIはこれからもドローンの安全に取り組んでいきます。