DJIは、安全性、セキュリティおよびプライバシー問題の対応を目的に、既存技術を活用しながら飛行中のドローンを識別、管理する新技術「AeroScope」を発表した。
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AeroScopeは、ドローンと送信機間の通信リンクを使用して位置や高度、飛行速度、方向および登録番号やシリアル番号などの識別情報を含む基本的なテレメトリー情報を送信。警察や治安当局、航空当局その他の認定団体は、AeroScopeレシーバーを使用して情報を管理、分析し、情報に基づいた行動が可能となる。AeroScopeは、2017年4月より2ヶ所の国際空港に導入され検証されいる。DJIの渉外担当副プレジデントBrendan Schulman氏は次のようにコメントしている。
Schulman氏:ドローンがビジネスや趣味用途における日常的なツールとなり、各管理団体は、深刻な問題を起こす可能性のある飛行方法や重要なエリアの近くを飛行するドローンを確認できることを望んでいます。DJI AeroScopeは、そのような需要を満たし、シンプルで信頼性が高く、また導入しやすいため、すぐにでも展開が可能です。
また同社は、ベルギーのブリュッセルにてAeroScopeレシーバーが、ドローンに電源が入ったことを即座に検知し、登録番号を表示しながら地図上に実際のドローンの位置を表示するデモンストレーションを実施した。登録番号はドローンにおけるナンバープレートのような役割で、管理局はその番号を基にドローンの登録所有者を特定可能。
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AeroScopeは、DJIの全てのドローン製品で使用可能なほか同社以外のドローンメーカーでも、既存および今後発売されるドローンに、同様の方法で情報が伝送されるよう設定可能。AeroScopeはドローンの既存の通信リンク上で伝送するため、追加の費用や重量の増加、飛行時間の減少などが生じる追加機器の搭載は不要だという。さらにドローンからの情報を直接レシーバーに配信するため、大多数の飛行は政府等のデータベースにも自動記録されず、ドローンユーザーの個人もしくはビジネスにおけるプライバシーを保護する。
このシステムは、懸念のあるドローンを特定したいという各管理団体からの要求と、管理されることなく飛行したいという操縦者の権利との間での合理的な両立を目指しているという。ドローンの識別に関する各設定は、各地域における規制適用前は、ユーザーが情報提供を選択可能。規制もしくは法案が適用されない限り、個人情報を自動的に送受信することはないとしている。
Schulman氏:ドローンの急速な普及により、安全性やセキュリティ、プライバシーに関する新しい問題が生じていますが、これらはドローンがすでに社会にもたらしている素晴らしいメリットとのバランスだと考えます。電子的なドローンの識別が慎重に進むことで、規制が抱える問題点や制限エリアの解決だけでなく信頼性も提供できると考えています。DJIは、空の安全維持のために各管理局を支援しながら、こうした利点を広めるために役立つソリューション開発を行うことを誇りに思います。