総理官邸や国会など重要施設の上空で小型無人機(ドローン)の飛行を規制する法案の修正案が7月8日、衆議院内閣委員会で可決した。ドローンの飛行規制法案は今年4月、総理官邸の屋上にドローンが落下した事件を受けて自民党や公明党、維新の党などが議員立法として提出していたもの。
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開かれた衆議院の内閣委員会では、禁止する施設に原子力発電所を加えた修正案を含めて、各党の賛成多数で可決した。修正案は9日に衆議院本会議に提出された後、参議院に送られる見通し。成立すれば国内初のドローン使用を規制する法律が生まれる。
法律案では、官邸や国会、皇居などを重要施設と定め、その敷地と周辺300メートルの上空を飛行禁止区域に設定。違反した場合には1年以下の懲役、または50万円以下の罰金を科すとしている。「小型無人機」とは、「飛行機、回転翼航空機、滑空機および飛行船そのほか航空法第二条第一項目に規定する機器で構造上人が乗ることができないもので遠隔操作または自動操作による飛行させられるもの」としている。よってマルチコプターやヘリコプターのようにプロペラ羽をもって直立飛行するものから滑走路を必要とするセスナ型飛行機も含まれる。修正案には人が乗るパラグライダーやハンググライダーなども加えられた。
米国では6月に上院議員ダイアン・ファインスタイン女史(カリフォルニア州民主党)とチャック・シューマー氏(ニューヨーク州民主党)が、消費者向けドローンの機能から飛行場所を含む飛行環境を米連邦航空局が規制および強化できることを支持し、消費者ドローン安全法案(Consumer Drone Safety Act)を掲げている。これを受け、米放送事業者協会(NAB)では、本法案を支持する考えを公表している。
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(山下香欧)