発売直前、WeChatに届いた一通のメッセージ
Mavic MiniからMini 4 Proまで、すべてのモデルを使い続けてきました。だからこそ、このMini 5 Proには特別な期待がありました。
- Advertisement -
そんなある日、深圳・華強路のDJI直営店を訪れた際に知り合ったスタッフから、WeChatを通じて「いよいよ発売ですよ」というメッセージが届きました。
その一言が購入のスイッチとなり、筆者は発売翌日には深圳のDJI直営店へ足を運んでいました。
本拠地・深圳での「プロ意識」あふれる購入体験
数年前に香港のDJI直営店が閉店して以来、私は代理店を通じてドローンを購入してきました。もちろん香港のスタッフも親切ですが、深圳のDJIスタッフのレベルは明らかに違いました。
- Advertisement -

英語対応はもちろん、各モデルの仕様を完全に把握しており、私のiPhoneが日本語表示のままでも「言語設定を変える必要はありません」と言いながら、ファームウェアアップデートから初期設定までを完璧に行ってくれました。
遠慮して「自分でやります」と伝えた際も、スタッフは笑顔で、「現時点での完璧な状態にしてお渡しします」ときっぱり。
そのプロ意識に感動しました。やはりここはDJIの"本拠地"なのだと実感する瞬間でした。

深圳購入の大きなメリット
近年、香港と深圳の行き来は驚くほど容易になり、香港に長く住む日本人であれば、パスポートを使わずに通関できるほどです。週末にふらりと深圳へ渡る感覚で、最新DJIを購入できる時代になりました。
さらに、中国本土では外国人は「離境退税(Tax Refund)」が利用でき、購入額の約9%が還付されます(注:免税措置を受ける場合はパスポートでの入国が必要)。DJI Care(本土版保証)に加入できることもあり、深圳で購入するメリットは想像以上に大きくなっています。
- Advertisement -


Mini 5 Proの決定的な変化:「249gの壁」の崩壊
DJI Miniシリーズは、世界各国の規制を考慮し、「250g未満」という伝統を守り続けてきました。しかし、今回のMini 5 Proでは、スペック表に「249.9g ±4g」と明記されました。つまり、製造ロットごとに実際の重量が異なる仕様になったのです。
私の購入した個体を計測したところ、重量は252.2g。長年守られてきた伝統の249gをわずかに超えていました。

この重量超過は、軽量化の限界を超えてでも性能を上げようとする、DJIの方向転換を象徴しているのかもしれません。
日本では100g以上のドローンはすべて登録対象であるため、249gか252gかは実用上あまり問題ではありません。それでも、Miniシリーズを追い続けてきた者として、この変化には少なからず感慨を覚えました。
性能追求による大型化 ーー1インチセンサーとLiDARの衝撃
Mini 5 Proは、性能を追求した結果、物理的な変化も伴いました。ボディはやや大型化し、カメラセンサーは1インチに拡大。さらに前方にはLiDARセンサーが搭載され、Mini 4 Proと同サイズに収めることはもはや不可能です。
| Model | 重量 | 折りたたみ時(長さ×幅×高さ) | 展開時(長さ×幅×高さ) |
|---|---|---|---|
| Mini 5 Pro | 249.9g ±4g | 157×95×68 mm | 304×380×91 mm |
| Mini 4 Pro | 249g未満 | 148×94×64 mm | 298×373×101 mm |



各国規制への対応:二台体制の必要性
Mini 5 Proの重量(252.2g)をめぐる各国の規制対応はデリケートです。
| 国/地域 | 250g基準の扱い | 重要なポイント |
|---|---|---|
| EU(EASA) | 条件付きで認められる | 実測252~253gでも、EASA(欧州航空安全局)が認める±3%の製造公差内(約256.9g上限)であれば、C0クラス(250g未満扱い)として運用できる可能性がある。 |
| アメリカ カナダ イギリス |
認められない | 実測値が250gを超えると別カテゴリー扱い。 |
| 日本 | 影響ほぼなし | 100g以上の機体は登録義務。249gでも253gでも扱いは同じ。 |
Mini 4 ProとMini 5 Pro、二台体制で旅を続ける
これまで私は新モデルを購入するたびに旧機種を売却してきましたが、今回ばかりはMini 4 Proを手放さず、Mini 5 Proと併用していこうと思います。
スペック上はMini 5 Proが明らかに上ですが、国や地域による規制の差を考えれば、行き先に応じて機体を選ぶのが最も現実的です。
重量を減らすために改造することも理論上は可能ですが、保証を失うリスクを考えれば得策ではありません。
そして何より、Mini 5 Pro Fly More Kitのバッグには、2台のMiniをぴったり収納できるスペースが用意されています。もしかすると、DJI自身が「二台持ち」を想定していたのかもしれません。

Mini 5 Proは、小型ドローンの完成形に近づいた一方で、「規制を超えて性能を追求する新しい方向性」を示したモデルでもあります。
こうしてMini 4 ProとMini 5 Proの二台体制で旅を続ける──それが今の私にとって、最も現実的で、そして心が躍る選択だと感じています。