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コラム田路昌也

GoProに勝ったDJI、次のライバルはInsta360。360度ドローン時代の幕開け[田路昌也の中国・香港ドローン便り]Vol.56

DJI OSMO 360とInsta360 X5、さらにAntigravity A1登場で加速する新たな競争。ユーザーは“FPV風空撮”を誰でも手軽に楽しめる時代へ

2025年9月12日
GoProに勝ったDJI、次のライバルはInsta360。360度ドローン時代の幕開け[田路昌也の中国・香港ドローン便り]Vol.56

ここ数カ月、我々ガジェットマニアをワクワクさせる発表が相次いでいます。私が購入した360度カメラ Insta360 X5に対抗するかのように、DJIは自社初の360度カメラDJI OSMO 360を投入しました。

Contents
張家界に行けなかった計画とX5購入の理由Insta360 X5がもたらす“編集の自由”Antigravity A1が示す未来今後の展望

Insta360 X5
DJI OSMO 360

さらに追い打ちをかけるように、Insta360は360度ドローン Antigravity A1を発表。まるで「次の戦いの舞台はここだ」と宣言しているかのようです。

Antigravity A1

思い出すのは、ひと昔前の光景です。ドローンに特化していたDJIと、アクションカメラに特化していたGoPro。当時はPhantomにGoProをマウントして飛ばすのが定番で、まさに蜜月の関係でした。ところが、GoProが自らドローン市場に進出し、DJIは逆にカメラ一体型ドローンを開発。互いがテリトリーを越えて相手の領域に踏み込み、全面戦争のような対立が始まりました。結果はご存じの通り、GoProが築いたアクションカメラ市場はDJIに席巻され、GoProは後退を余儀な
くされたのです。

そして今、第二幕が開こうとしています。360度カメラとドローンをめぐる新たな戦い。ユーザーとしては、この行方から目が離せません。

張家界に行けなかった計画とX5購入の理由

この夏、私は張家界に行く計画を立てていました。切り立った岩の間を歩き進むような風景をどう記録するか──その答えとして購入したのがInsta360 X5でした。

計画では、飛行が許可された場所はDJI Mini 4 Proで撮影し、飛ばせない場所では超長い自撮り棒の先にX5を取り付け、まるでドローンのような映像を撮る。そんな使い分けをイメージしていたのです。観光地では飛行禁止区域も多く、自由に飛ばすことはできません。しかしX5なら「手持ちで全方位を撮り、あとから編集でドローン風映像に仕上げる」ことが可能だと考えました。

Insta360 X5がもたらす“編集の自由”

実際にX5を使ってみると、ただ真っ直ぐ歩いただけの映像でも、編集によってアクロバット飛行をしたかのようなダイナミックな映像に仕上げることができます。Osmo Pocketのようにカメラヘッドを振りながら撮るのとは全く違い、360度ならではの自由度があります。

私は以前、360度カメラであるInsta360 One RをDJI Mavic 2 Proに後付けして飛ばしたことがあります。直線的に飛ばしただけでも編集で迫力ある映像を生み出せましたが、その反面セットアップの手間や、フライト中に映像を確認できない不便さを痛感しました。

そのときの詳細は、過去のDrone.jpコラムでも取り上げています。

[田路昌也の中国・香港ドローン便り]Vol.12 Insta360 ONER Aerial Edition使いこなせばきっと衝撃的な絵が撮れる!

GoProに勝ったDJI、次のライバルはInsta360。360度ドローン時代の幕開け[田路昌也の中国・香港ドローン便り]Vol.56

それから数年。ハードウェアもソフトウェアも進化したInsta360 X5は、もはや当時の延長線ではなく、比較にならないレベルに到達しています。編集スキルがなくても十分に楽しめる映像体験を可能にした──この進化こそが、X5の最大の魅力だと感じています。

そして今回発表された Antigravity A1には、その進化したX5の性能が丸ごと搭載されているはずです。かつては後付けで工夫しながらようやく得られた表現が、いまやドローンとカメラが一体化することで、より手軽に、しかも高品質で実現できる。そこに私は大きな可能性を感じています。

Antigravity A1が示す未来

「Antigravity A1」の発表内容は以下の通りです。

  • 撮影性能:8Kデュアルレンズ、360度全方位撮影、FlowState手ブレ補正、AIトラッキング、インビジブルドローン効果
  • 重量:約249gで規制をクリアし、旅先でも飛ばしやすい
  • 操作性:Gripコントローラー+Visionゴーグルによる直感操作
  • 安全機能:ペイロード検出、自動帰還、障害物回避
  • 発売時期:2026年1月予定(価格未定)

すでに著名ブロガーやYouTuberがテスト飛行を公開しており、多くが「これまでとは違う体験だ」と評しています。もちろん、すべてのドローンが360度化するわけではないでしょう。しかし「周囲を丸ごと記録しておき、あとから必要な部分にフォーカスできる」という仕組みは、失敗のない撮影手法として大きな安心感をもたらします。その意味で、360度ドローンは新しいジャンルを切り開きつつあるのだと感じます。

今後の展望

私はやはり旅先で気軽に飛ばしたいので、250g以下という条件を重視しています。Antigravity A1がその条件を満たしていることは大きな魅力です。編集は少し手間でも、映像の自由度は飛躍的に高まります。

現時点で私はまだAntigravity A1を手にしていませんが、その疑似体験をする意味で、Insta360 X5を使った撮影を試みています。方法はシンプルで、X5を自撮り棒の先につけて、トラムの二階から突き出して録画するだけです。

GoProに勝ったDJI、次のライバルはInsta360。360度ドローン時代の幕開け[田路昌也の中国・香港ドローン便り]Vol.56
香港トラムの窓からX5を突き出して撮影している様子

こうやって撮影した素材に編集を加えると、下のようなダイナミックな映像に仕上げられます。特別な編集スキルがなくても、まるでFPVパイロットが縦横無尽に空を飛ぶかのような映像を作ることが可能です。以前Mavic 2 Proに搭載したInsta360 One Rの頃とは一線を画す仕上がりであり、360度カメラの進化を強く感じています。

INSTA360 X5で撮影し、編集でドローン風に仕上げたサンプル映像

360度カメラとドローンの融合は、空撮の世界をさらに面白くしてくれるはずです。そしてその未来は、決して遠い話ではありません。私たちが旅先で手軽に使える日常の道具として、すぐそこまで近づいてきています。

FPVのような熟練パイロットの操縦技術がなくても、誰もがダイナミックな映像を手にできる──。
そんな時代が始まろうとしているのかもしれません。

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TAGGED: DJI, DJI OSMO 360, ドローン, 田路昌也の中国・香港ドローン便り
masuko 2025年9月12日
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