Insta360 ONE R Aerial Editionがようやく到着!
新型コロナウイルスの混乱で発売が遅れていたInsta360 ONE R Aerial Editionがようやく手元に届きました。今回のコラムでは、開封、組み立て、フライトの第一印象と問題点を述べます。
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Aerial Edition構成パーツ
その前に、この製品をご存知ない方のためにInsta360 ONE R Aerial Editionとは何なのかをまず説明します。
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本製品を開発・販売しているInsta360社は2014年に中国・深センでスタートしたベンチャーで、360度カメラに特化した製品をいくつも発売しています。Insta360 One XやInsta360 Goといった製品名を耳にしたことがある方もいると思います。それほど360度カメラの世界では有名な企業のひとつです。
Aerial EditioをMavic 2 Proに装着した外観
普段からこのdrone.jpサイトをご覧になってる方なら、360度カメラをドローンに搭載して撮影された映像を見たことがあるかもしれません。空からの映像が360度、全周で見渡せるのは非常に面白い試みです。そういった映像を撮影するためにはこれまでDIYでドローンに360度カメラを取り付ける必要がありました。ただこのDIY式では全周映像のどこかにこのドローンが映りこんでしまうという問題があります。
しかし今回のこのInsta360 ONE R Aerial Editionが画期的なのは、360度カメラを2分割しドローンの上下に取り付けることで、ドローンが映りこむ問題を解決しています。これはドローン撮影を楽しむ人にも、360度カメラを楽しむ人にとっても画期的です。下記2枚の写真で全体の構成をイメージしていただけると思います。
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Insta360 R ドローン版の開封と試し撮り!
上記動画では、各部品の説明と、組み立てる様子をご覧いただけます。
動画の目次
- 1:50~ 開封
- 6:35~ アプリとの接続
- 8:06~ Mavic 2 Pro へのマウント
さて初フライトで撮影した次の動画ですが、問題が3つありました。
■問題1
これはInsta360でのオンライン購入時にすでに分かっていたことですが、このAerial Editionを装着するとMavic 2 ProのGPS機能が使えなくなります。つまりATTIモードというGPSを使わないで飛ばす必要があります。
GPSなしで操作するのは難易度が高く、リターンツーホーム機能も使えなくなりますのでドローン操作に慣れた人でなければお勧めできません。
GPS問題注意
■問題2
レンズカバーを装着したことで、上記の初フライト映像にある「上下カメラ映像のステッチングが乱れる」という問題と「フレアやゴーストが発生する」という問題が発生します。
レンズカバー
■問題3
下側カメラ位置がランディングギア面より下に配置される問題のため、フライト時にはハンドキャッチ、ハンドリリースが必要であり難易度が上がるという問題があります。
レンズ出っ張り
上述の3つの問題に対して、問題1のGPS問題は、細心の注意で飛ばす、また目視範囲でのみ飛ばすなどで回避すべきだと思います。購入を希望される方は、ご自身のドローン操縦レベルを今一度確認してください。
問題2ですが、レンズカバーによるステッチングの乱れは、Insta360が提供するアプリに補正オプションが用意されていますが、正直これで完全に解決できるレベルではないというのが実感です。つまりステッチングに加えてフレアなどを抑えるためには「レンズカバーは装着すべきでない」というのがわたしの結論です。
こうなるとレンズ剥き出しになるわけですから、問題3のカメラの出っ張り問題はよりシリアスになります。そこでこのような拡張ランディングギアを用意しました。
拡張ランディングギア
拡張ランディングギア装着時
レンズギャップ
これを装着することでランディングギア長さはレンズ出っ張りをカバーできるレベルとなりました。
そして上述の対策を施したうえで二回目に飛ばしたのが次の映像です。
拡張ランディングギアのおかげでハンドリリース、ハンドキャッチすることなく操縦できたのは大きなメリットなのですが、そもそも映像にランディングギア先端が映りこむのは予想外でした。しかし考えてみれば当然ですよね。編集時に気が付いて思わず笑ってしまいました。
今後の課題
最後に今後の課題をまとめておきます。下のInsta360 ONE Rのプロモーション動画を見ると、ビル群の中をまるでレーシングドローンのように縦横無尽に高速で飛んでいます。
Insta360 ONE R Aerial Editionプロモーションビデオ
しかし数回飛ばした経験から、わたし的には、このAerial Editionは高速で飛ばさずに低速、少なくとも「定速」で飛ばしたほうがいいのではないか?そう考えています。
その理由として、ドローンは急加速や急減速の際に機体が大きく傾きます。ドローンのカメラジンバルはその機体の傾きを十分に吸収できますが、Insta360 ONE RカメラはMavic 2 Proの機体に固定されているため、機体が傾いた角度と同じだけ傾きます。
ここまで高速かつ大きなブレはInsta360 ONE Rに備わったFlow Stateがいかに優秀なブレ制御でも、追従しきれないようで、撮影後に録画データを確認すると微振動やブレがあり後処理でも修正しきれないと感じます。
したがって現実的には、Mavic2 Proが大きく傾かないよう、可能な限り一定速度かつ安定した姿勢で飛ばし、後処理で再生速度を上げてスピード感を出す、また360度カメラの特性を生かして視点を自由自在に変えるといった方法により、速度感は十二分に表現できると思います。
今回のわたしの稚拙なフライト映像はこのInsta360 ONE R Aerial Editionの本来持っているパフォーマンスを全く生かせていません。しかし、あと何度か飛ばし、さらに360度編集にも慣れることで、胸を張ってお見せできる映像が出来る!Insta360 ONE Rはそう予感させる面白いデバイスだと思います。
このInsta360 ONE Rに興味のある方はぜひ私のYouTubeチャンネルを登録して続編にご期待頂ければと思います。