水中ドローン「PowerRay」で日本市場に参入、その後も水上ドローン「PowerDolphin」やタマゴ型ドローン「PowerEgg」など特徴的なプロダクトを立て続けにリリースしているPower Visionが1月に開催されたCES2020にて「PowerEgg X」を発表しました。PowerEgg Xは、防水カプセルの装着で防水化できたり、プロペラアームを脱着することでドローンもAI搭載カメラも楽しめるオールインワンパッケージです。今回はこのPowerEgg Xをさっそくレビューしてみたいと思います。
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機体スペック比較
まずはスペックを確認しましょう。みなさんに馴染みがあると思われるDJI製のドローンと比較しながら見たいと思います。
PowerEgg X | Mavic 2 Zoom | Mavic 2 Pro | |
重量 | 862g | 905g | 907g |
プロペラピッチ | 427.5mm | 322mm | 322mm |
最大水平飛行 速度 |
18m/s | 20m/s | 20m/s |
GNSS | GPS+GLONASS | GPS+GLONASS | GPS+GLONASS |
ジンバル操作 可能範囲 |
-90°~+20° | -90°~+30° | -90°~+30° |
カメラセンサー | 1/2.8インチCMOS 有効画素数:12MP |
1/2.3インチCMOS 有効画素数:12MP |
1インチCMOS 有効画素数:20MP |
レンズ (35mm判換算 焦点距離) |
27mm | 24-48mm | 28mm |
静止画サイズ | 4000×3000 | 4000×3000 | 5472×3648 |
動画解像度 | 4K:3840×2160 24/25/30/48/50/60p
FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60/120p - Advertisement -HD:1280×720 24/25/30/48/50/60/120/240p |
4K:3840×2160 24/25/30p
2.7K:2688×1512 24/25/30/48/50/60p FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60/120p |
4K:3840×2160 24/25/30p
2.7K:2688×1512 24/25/30/48/50/60p FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60/120p |
動画最大 ビットレート |
75 Mbps | 100 Mbps | 100 Mbps |
搭載メモリ | 6GB | 8GB | 8GB |
コントローラー 最大伝送距離 |
FCC:6km;CE:3km;SRRC:3km | FCC:8km;CE:5km;SRRC:5km;MIC:5km | FCC:8km;CE:5km;SRRC:5km;MIC:5km |
価格 | エクスプローラー版: 99,000円(税込) ウィザード版: 146,900円(税込) |
165,000円(税込) | 197,560円(税込) |
PowerEgg Xの重量・サイズはDJI Mavic 2シリーズとほぼ同等となります。実際にサイズを比較してみるとMavic 2よりも少し大きいくらいのサイズ感ですが、ここではMavic 2と比較していきたいと思います。
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スペック表の中で注目すべきは、やはりカメラ性能です。センサーは1/2.8インチCMOSなので、Mavic 2 Zoomとほぼ同等と考えてよいかと思います。ただ、PowerEgg Xは4K解像度で60pの撮影ができる点がMavic 2シリーズよりも優れます。なめらかな映像が撮れるはず。しかしながら動画最大ビットレートが75 MbpsとMavic 2シリーズの100 Mbpsと比較すると少し低くなっていますので画質的にはMavic 2シリーズに少し劣る…というのがスペック上の違いです。とはいえ、100 Mbpsと75 Mbpsの違いですので、SNSやYoutube等で見る分にはほとんど差は出ないと予想されます。
また、コントローラーの最大伝送距離がMavic 2シリーズよりも少し短いようです。このあたりがどれくらいフライトの快適性・安全性に影響するか…というところは数字以上の影響がありそうです。
さっそく開封の義!
では、さっそく開封してみしょう!お預かりしたパッケージはウィザード版(防水セット付き)です。本体の含まれる基本セットとウィザードセットを見ていきたいと思います。
基本セットを開封すると、Mavic Miniに似た素材のキャリングケースが出てきます。中には以下のものが。
- 本体(タマゴ)
- 送信機
- レッグ(左右)
- バッテリー
- 充電器&ACケーブル
- USBケーブル×3本(Lightning/MiniUSB/USB-C)
- 予備プロペラ1セット
- AIカメラモード時ハンドベルト
- AIカメラモード時三脚アタッチメント
- AIカメラモード時に使うフタ
- プロペラ交換用ネジ&六角レンチ
- 巾着袋
タマゴ型の本体サイズはダチョウのタマゴサイズです(ダチョウのタマゴを持ったことは有りませんが165mm×100mm×100mm)。
本プロダクトの最大の特徴であるこのタマゴ(本体)。まずはココから詳しく見ていきたいと思います。タマゴは下面と上面にフタがあります。使用時には下面のフタを外します。
下面のフタを外すと3軸ジンバルとドローンモード時に下面となるセンサー類が現れます。3軸ジンバルは更にカバーが付いているので持ち運び時にも安心ですね。
下面には超音波センサー2個とポジショニングカメラ2個が付いています。低空での位置情報を取得するポジショニングカメラが2個あると低空での安定性が期待できます(他社製品ではポジショニングカメラがひとつというものもよくあります)。
上面のフタを取ってみるとバッテリーが現れます。電源の入れ方はDJI製品と似ています。一度ボタンを押してLEDランプを光らせたあとに再度ボタンを2秒間長押しすることで電源が入ります。また、バッテリーを外すと静止画・動画記録用のMicroSDを挿入するスロットを見ることができます。
また、両サイドの端子部分にレッグを挿入することでドローンとして利用できます。AIカメラからドローンへの変形は意外と簡単でビックリです。
次に、送信機も見ていきます。送信機のデザインは「PowerDolphin」にも似たものになっています。スマホホルダーが折りたたみ式になっており、中央のホルダーを持ち上げることで使用します(スマホとの接続はUSBケーブルによる有線式)。
コントローラーのスティック部分は防塵防水カバーが付いています。悪天候時の操縦で意外と盲点なのが送信機の浸水です。PowerEgg Xは防水用アタッチメントが売りのひとつですが、送信機の稼働部分もちゃんと配慮がされているのはうれしいところです。浸水を防ぐカバーは地味ですが、意外と便利な装備です。
防水ユニット「ウィザード版」パーツも確認
防水&フロートパーツ等が揃った「ウィザード版」も見ていきたいと思います。
- フロート×2
- 防水カバー
- 予備バッテリー
- 予備プロペラ×2セット
- USB延長ケーブル
- ポーチ(小物入れ)
特徴的なのはフロートと防止カバーですね。これらを装着することで防水&水上離着陸が可能になります。
各モードスタイル確認
各部を確認したところで、PawerEgg Xのいろいろな形態を楽しんでみましょう!
■ドローンモード(通常)
本体のタマゴにレッグを装着するだけで通常のドローンモードとなります。Mavic 2とくらべると少し大きいくらいですね。
■ドローンモード(防水+フロート)
ドローンモードに防水カバーとフロートを装着すれば水上離着陸も可能な防水ドローン形態に。もちろん、フロートを外してシンプルな防水ドローンとしてフライトすることも可能です。
■AIカメラモード(ハンディ)
ドローンモード用レッグを取り外し、代わりにハンドベルトを装着すればハンディカムのように撮影することができます。スマホのマイクやワイヤレスホンから拾う音声を「SyncVoice音声画像合成技術」により映像に埋め込むことができます。通常のドローンでは音声は記録されないので別撮りする必要がありましたが、PawerEgg Xではその手間は必要ありません。
■AIカメラモード(固定)
精密な顔認識機能により、三脚に固定していても3軸ジンバルによるオートフレーミングにより被写体を撮り続けることができます。今回は試すことがができなそうですが、AIのディープラーニングを通して顔認識の精度は継続的に向上するとのこと。使えば使うほど顔認識の機能も上がるというのは楽しみですね。
旅行に、日常に、撮影が楽しくなるPawerEgg X
旅行先で活用する場面はもちろん、日常でもAIカメラのオートフレーミングによりVlog的に撮影する楽しみ方もありそうなPawerEgg X。変形機構はめんどくさいのではないか?…とも思いましたが、実際にやってみると構造はシンプルでそれほど苦にならないレベルでした。次回は実際にフライトもしてドローンとしての飛行性能も見てみたいと思います。