外で飛ばしてみよう!
DJI社の小型ドローンMAVIC PRO、前回の記事では屋内での飛行のみだったが、今回は屋外での性能を試した。せっかくなら映像的にも映える場所ということで、神奈川県足柄市の真鶴岬まで遠征して撮影を行った。
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小型ゆえに準備すら気持ちが軽い
前回の記事でも書いた、Phantom4の時は専用バックパックを使用していたが、それなりの大きさがあり、一人で移動する際は背中が埋まってしまうので運搬方法は常に頭を悩ませる問題であった。それが今回のMAVIC専用バッグは片手で持ち運べてしまうサイズなので、気持ち的には「ついでに持って行く」感覚になる。実際に今回の撮影でも、カメラリュックとMAVICバッグの二つだけで出かけて行った。本格撮影ではないものの、こんなに気軽に持ち運べることに感動した。もちろん性能が一番大事ではあるものの、撮影に入るまでのこの過程のモチベーションも非常に大事である。そういう点において、この小型は思っている以上のパフォーマンスをすでに発揮している。
朝焼けの真鶴岬でいざフライト!
東京を朝5時前に出発して車を走らせること約2時間、目的地に到着。ありがたいことにほぼ無風状態。雲がかかっていたために朝日はおがめなかったものの、雲の切れ間からのぞいた朝日をバックに撮影することができた。まずは撮影された映像をご覧ください。
撮影設定:ナチュラル編集ソフトにて色補正加工済み
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安定感あるフライト
足場は砂地であまり安定感はなかったものの、無事にフライトできた。しかし現場では毎回安定した場所があるとは限らないので、別売りのランディングパッドや平坦な板などを持ち運ぶと安心かもしれない。Phantom4に比べて機体が小さいので、安定感に不安があったものの風も少なかったためにかなり安定していたように思える。
最高高度120mからの眺めはこちら
撮影的にも嬉しいトライポッドモード
屋内撮影でも使用した「トライポッドモード」。ドローンをゆっくり移動しながら撮影する際には抜群の効果を発揮する。動きを制御するような感じになるので、流されにくくなる。上記のように、人物を中心にゆっくりと回り込むような撮影では非常に重宝した。このような足場の悪い中で、同様の撮影をしようと思うととても準備が大変なことを、これだけの小型マシンで撮影できるのは画期的とも言える。
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映像表現に幅を持たせる2倍ズーム
プロポボタンでズームの段階を切り替えながら最大2倍までのズームが可能。対象物に近づけない場合や人物撮影などのバリエーションも増えることで映像表現的にもぐっと幅が増えるだろう。
新機能モードを試してみる
対象物を追跡して撮影する「アクティブトラック」はPhantom4にはついていたものの、MAVIC PROではさらに新機能が追加したので早速使ってみた。
プロフィールモード
対象物を横から水平に追いかけながら撮影。しっかりと対象物を捉えて追ってくれる。
トレースモード
ビジョンポジショニングシステムを使いながら段差を認識しながら後方から追尾しながらの撮影。地面に近い状態でありながらしっかりと高度を保ちながら追ってくれている。
精度は高いが安全性には注意が必要
プロフィールモードで何度かテストをしている際に、対象者が勢いよく走っているタイミングで、草の中にMAVICが突っ込みそうなひやひやする場面があった。自動モードは見ていても面白いのでついいろいろ試したくなるが、過信は禁物であるので、必ず周りの状況を把握した上で使うことをおすすめする。
撮影後に発覚したまさかのブレブレ画像?!
撮影中、スマホの画面では気付けなかったのですが、撮影素材を確認しているうちにいくつかのクリップが非常に乱れていることに気づいた。どうやらジンバル部分のフックが外れていたようで、ぷらぷらした状態で撮影してしまったのが原因のようだ。
上記のようにツメがジンバルプレートに引っかかっている状態が正しいようですので、飛ばす前にこのような状態であるかどうかしっかり確認する必要がある。
「高性能のサブカメラ」として考えてみてはどうだろうか
屋内、屋外と使用してみてMAVIC PROの位置付けはどのようなものかと考えていたが、最適な定義としては「高性能なサブカメラ」という言葉がぴったりだと思った。本格的に撮影するなら新発売のPhantom4 PROさらに業務用としてのInspire2がいいのかもしれないが、案件によっては予算の都合上一人で撮影せざるを得ない場合もある。MAVICのコンパクトさがあるならば「サブカメラ」としてカバンに入れても負担にならないし、それでいて通常の撮影にグッと幅を大きく持たせてくれる。「折りたたみ出来る小型ドローン」と言うよりは、「空飛ぶサブカメラ」という方がMAVICの魅力を表現にぴったりではないだろうか。