近年の防衛装備品開発は、ますます複雑化し、開発費の高騰と開発期間の長期化が進んでいる。その結果、軍事力を急速に拡大している一部の国との差は広がる一方だ。ドローンに関しても同様に、高度な技術を用いた高価で環境負荷の大きいものが開発されてきた。
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AirKamuy 150は、低コスト・低RCS・低環境負荷の持続可能なドローンだ。固定翼機の特性を活かし、長距離飛行性能を維持しながら、コストを抑えた運用が可能だ。防衛と民間の両方に対応するデュアルユースのドローンとして開発されている。
用途
防衛領域
- 単体でのパトロール任務に加え、多数機での飽和(スウォーム)攻撃
- シミュレーションにより強化学習させたAIによる自律飛行
民間警備
- 長時間飛行を活かし、一般的なマルチコプターに比べ、広大なエリアを1機でカバー
- 導入コストや運用費用を抑え、幅広い組織における利用
低コスト生産
短期間開発・低コスト・大量生産可能な機体を実現
- 徹底した内製化による迅速アジャイル開発
- 3Dプリンターの活用と生産性考慮の機体設計
- 容易に入手できる素材の使用
レーダーに映りにくい
低RCSの機体により、効果的な偵察、攻撃が可能
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- サイズ:RCSと性能力を考慮する機体サイズ
- 素材:段ボールを主に使用
- 形状:RCSを考慮した機体形状
輸送が容易
板状の部品から、容易に短時間で組立
- 大量輸送:板状に重ねてコンパクト大量輸送
- 短時間組立:1機5分以内で組立完了
- 現地組立:特殊な工具不要
環境に対して低負荷
生分解性ドローンの実現
- 生分解性プラスチック、段ボールの使用
- 遠隔で安全に自爆し、機体の生分解スピードを促進
仕様
飛行時間 | 2時間 |
ペイロード | 1.5kg |
巡航速度 | 70km/h |
今回公開された段ボールドローンは、まだ試作段階にあり、形状やサイズは最終的に変更される可能性があるという。納品時にはフラットな状態で届けられ、必要に応じて組み立て、手投げで離陸させるドローンだ。
現在は組み立てに90分かかるが、今後は構造を見直し、誰でも5分で組み立てられるドローンにするという。2024年度中には、試験飛行を開始して、実証実験に移行する。2026年には初期生産を開始する予定だ。
展示会では、多くの関係者の注目を集めることができ、AirKamuyの代表的なドローンとして位置づけていきたいとしている。