第二種型式認証機体「E6150TC」と第一種型式認証申請中「E600-100」
福島県南相馬市に本社を置くイームズロボティクスは、福島県および福島相双復興推進機構との合同ブースの一角で、開発中の機体などを出展する。来場者の目を引いていたのが「E6150TC」だ。
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人口集中地区上空、目視外飛行、夜間飛行、人・物から30m未満の飛行に対応する第二種型式認証機体である同機。二等無人航空機操縦士の資格と合わせることで、許可・承認を受ける必要なくレベル3飛行を実施できる。ペイロードは6.0kgであり、宅配荷物や医療品、食料品などを運ぶことが可能。展示パネルでは「時代は『実証実験』から『実用化へ』!」と謳い、ドローン物流の実現へ高まる期待をアピールした。
第一種型式認証を申請中の「E600-100」の試験機体も展示されていた。安全性を高めるためパラシュートを搭載し、バッテリーやGPSも二重系統化。モーターが一部停止しても安全に着陸できる構造を備える。ペイロードは4kg弱で設計を進めている。
開発中の「EAMS VTOL」に注目
さらに注目に集めたのが、同社が初めて開発を手掛けるVTOL機である「EAMS VTOL」だ。経済産業省らが主導する科学技術振興やイノベーション創出に向けた「SBIRプロジェクト」の一環で開発が進められており、会場にはその縮小モックアップが展示された。
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担当者は「イームズとしてはVTOL機の開発は初めて。リポバッテリーを使用するマルチローター機は飛行できる距離や時間に限界がある。VTOL機で拠点間を飛行し、マルチローター機でラストワンマイルを配送するような使い分けを想定している」と説明した。
イームズでは、これまでの実証実験などを通じて積み重ねたドローンによる配送のノウハウを組み込んだ運航管理ソフトウェアの開発も進めている。VTOL機もこのソフトウェアを活用しながら運用したい考えだ。