インテリジェントバッテリーとは、バッテリーの電圧や温度、容量などの情報をやり取りできるチップを内蔵したバッテリーのこと。古河電池のインテリジェントバッテリーも通信機能を備えていて、ソフトウェア等を介してバッテリーの状態やログを確認することができる。
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今回展示されていたのは「高エネルギー密度タイプ」のインテリジェントリチウムイオンバッテリー。バッテリーには重量物運搬などハイパワーが必要な機体に最適な「高出力タイプ」と、点検や測量、小物物流など長時間飛行に向いている「高エネルギー密度タイプ」に分かれる。
今回展示されていた新製品は後者の高エネルギー密度タイプで、最大連続放電電力(パワー)は低いが、エネルギー密度が高く長時間飛行に向いている。現在のドローンの課題の一つでもあり、ユーザーのいちばん多い要望である長時間飛行に振り切ったモデルだ。
汎用リチウムバッテリーは、ラミネートパックされたバッテリーから汎用のコネクタが接続されたプラス・マイナスのケーブルとセル間の充電バランスを調整するバランスケーブルが飛び出ているものが一般的だ。電圧などはチェッカーなどをバランスケーブルに挿して数値を確認する場合が多い。
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一方、写真の通り、インテリジェントリチウムイオンバッテリーはバッテリー側の専用基板端子と機体側の専用アタッチメントを接続することで固定・通電する。バッテリー自体にも簡易的に残量を確認するスイッチも装備されている。基本的な充放電、バッテリー状態のモニタリングだけでなく、過充電・過放電・短絡・温度等を保護する機能もある。
機体側のアタッチメントも提供しており、この接続・固定用アタッチメントを機体側に設置することでインテリジェントリチウムイオンバッテリーを使用することができる。実際に機体に設置する際にはNDA締結後、CADデータ等をやり取りして機体設計の中に組み込んでもらうとのこと。
接続・固定はとてもかんたんで押し込むのみ。固定具の上方にあるつまみを外側に倒す(写真では左側に倒す)だけでバッテリーを取り外すこともできる。
インテリジェントリチウムイオンバッテリーを採用している国内メーカーのドローンは多くはなく、一般的なリチウムポリマーバッテリーを採用している機体がほとんどだ。リチウム系のバッテリーは中国製のものが市場を占めており、安価で高出力なものも多い。
しかしながら、空の安全やバッテリーの管理リスクを考えるとインテリジェントなバッテリーは今後のスタンダードになると思われる。国産のリチウムイオンバッテリーの躍進のきっかけをぜひ作って欲しい。