ピノキオ商事株式会社は2025年11月5日、岐阜県郡上市にて医薬品「エピペン」のドローン輸送実証実験を実施する。豪雪で孤立する石徹白地域へ、標高1,300m級の山岳ルートを越える総距離75kmを、マルチローター型とVTOL型ドローンによる複合運航で輸送。災害時にも医薬品を届ける"空の医療物流"体制の確立を目指し、通信・温度・高度をリアルタイムで監視する地域医療モデルの構築に挑む。
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実証概要
- 実施日:令和7年11月5日(水)
- 実施場所:岐阜県郡上市 大和町~白鳥町二日町地域〜白鳥町石徹白地域
- 輸送ルート:
① 大和生涯学習センター ⇔ 北濃小学校(「DrN-25」/レベル3.5)
② 北濃小学校 ⇔ 石徹白小学校(「PW.Orca」/超高高度+レベル3) - 輸送物:医薬品 エピペン(アナフィラキシー補助薬)
- 目的:豪雪・孤立時にも医薬品を届ける“空の医療物流”体制の確立
実証のポイント
- 標高1,300m級の山岳ルートを往復(総距離約75km)
- マルチローター+VTOLによる複合運航
- 通信・温度・高度をリアルタイム監視
- 災害・豪雪・通信断に強い地域医療モデルの確立
実証体制・関係企業
- 主催:ピノキオ商事株式会社(事業統括・制度設計)
- 運航統括:クロステックフィールドジャパン株式会社(技術・法令・ガイドライン)
- 技術協力:AIR WINGS合同会社、明治産業株式会社、株式会社ROBOZ、KDDIスマートドローン株式会社(機体・運航実施、運航支援、通信環境提供)
- 協力:郡上市総務部総務課(地域調整・住民対応)
航路図(青線=マルチ・レベル3.5、赤線=VTOL・レベル3)


使用機体
マルチ:STエンジニアリング社製 DrN-25

機体情報
- 最大離陸重量 :24.9kg
- 最大ペイロード:6kg
- 最大航行時間 :最大90分
- 通信方式 :2.4GHz及び上空LTE
特徴
本機は、長時間の運用を可能とする設計を基盤に、搭載機器(ペイロード)の交換によって、同一機体を監視・測量用途から物流用途へと柔軟に転用できる新世代ドローンである。
VTOL:PHOENIX WINGS社製 PW.Orca

機体情報
- 最大離陸重量 :52.0kg
- 最大ペイロード:15.0kg
- 最大航続距離 :100km(ペイロード10kg時)
- 通信方式 :2.4GHz及び上空LTE
特徴
本機は、過酷な環境下でも確実に物資を届ける、次世代の物流ドローンである。最大15kgの貨物を高速かつ長距離(最大100km)輸送でき、衛星通信や冗長化システムにより安全性も万全。離島・山間部・災害地など、人の手が届きにくい地域へ“空からつなぐ物流インフラ”を実現する。
輸送物
エピペン輸送ボックス

ピノキオ商事 代表取締役 石田 準一氏コメント
「薬を切らさないという日常の安心が、ドローンによって支えられる未来を実現したい。」
山間部のかかえる物流課題を改善する一つの手段としてドローンの利用があげられます。災害時や緊急時はもとより、平時からでも必要な医薬品の安定的な供給ルートを構築できるよう、安全第一で実証実験いたします。