TriOrbは、球体を用いた全方向移動機構をコア技術とした搬送ロボット「TriOrb BASE」を開発するスタートアップだ。九州工業大学での研究成果である全方向移動機構は、段差や斜面における走破性能とミリ単位の精度での移動性能を持っており、製造業や建設業などの現場での物資の搬送に用いることができる。
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車輪を用いる既存のAGV(無人搬送車)では、移動方向の制限や切り返し動作の発生により、自由な移動が困難だったという。加えて、段差や斜面における走破性の低さや積載可能重量の少なさなど、「走行環境への対応」と「多種多様な搬送物への対応」という2つの大きな課題により、現場での導入は限られていたという。
TriOrbは、全方向移動機構を主とした技術によりこれらの課題を克服しており、従来のAGVが走行できなかった現場での活躍が期待できるとしている。
DRONE FUNDでは、深刻な人手不足や広域災害の発生といった社会課題を背景に、人と自律型ロボットの協調による持続可能な社会システムの実現を目指し、投資活動を行っている。今回TriOrbが持つ技術的優位性や、創業から短期間で一定の事業進捗を実現した経営能力を高く評価し、投資を決定したという。TriOrbへの出資により、DRONE FUND投資先同士のシナジー創出の促進、LP投資家との社会実装に向けた取り組みを加速させていくとしている。
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TriOrb代表取締役の石田秀一氏は、次のようにコメントしている。
石田氏:TriOrbはモビリティの活用による製造業改革のボトルネック解消を目指し、全方向自律移動型プラットフォームの研究開発および製造に取り組んでいます。この度、DRONE FUND様を含む新たな投資家からの熱いサポートを受け、TriOrbは更なる飛躍を遂げます。今回の資金調達により、全方向自律移動型プラットフォームの性能向上はもちろん、ドローン技術との相乗効果を最大限に引き出し、製造業における変革を一層加速させます。
このパートナーシップはTriOrbにとって新たな章の始まりです。ドローンを含む様々な自律型ロボットとの緊密な連携を通じて、我々は革新的で効率的なソリューションを実現し、製造業における未来の先駆者として、更なる付加価値創出に挑みます。
DRONE FUND共同代表の大前創希氏は、次のようにコメントしている。
大前氏:DRONE FUNDでは「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現に向けて、陸海空の自律型ロボットの社会実装を推進しています。TriOrbが持つ全方向移動機構技術は、これまでAGVの導入が難しかった製造・建設現場などでのAGVの導入を可能とするものであり、人手不足に悩む現場の効率化に寄与するものと期待しています。
TriOrbは技術的な強みを背景に起業したスタートアップでありながら、顧客のニーズを的確に捉え、短期間での製品開発を行っている点を高く評価し、投資を決定しました。
私たちは「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現に向けて、TriOrbの支援を進めていきます。