名古屋商科大学にて出発式を行い、出発式から実証実験を報道関係者に公開した。この実証実験は、愛知県のスマートシティモデル事業として、災害時にドローンで物資を輸送する際の飛行ルートの検討や社会受容性の向上を目的として実施された。
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また、NEXT DELIVERYとBOLDLYが連携して、日進市が既に導入している自動運転バスの運行管理システムとして用いられている「Dispatcher」(提供:BOLDLY)にドローンの運航情報を接続することで、「Dispatcher」上で自動運転バスとドローンを一元的に管理することの有効性を検証した。
背景と目的
日進市は、愛知県のほぼ中央部である尾張と三河の境に位置し、市中央部には南北を分断する河川(天白川など)が東西に流れている。名古屋市と豊田市に挟まれる日進市は、高度経済成長期であった昭和40年以降、住宅開発が進んだ土地だ。その後、市の南部における鉄道路線の開通を契機にさらに発展し、全国的に人口減少時代を迎えた今日も人口の増加が続き、現在人口が約9万3000人の住宅都市となっている。
自然災害については、近年の大型台風や局地的大雨などにより、天白川の河川氾濫による被害の可能性が高まりつつあるという。また、日進市は南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されており、ハード・ソフトの両面から、防災に関する取り組みの推進が必要とされているという。
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これらを背景に、想定される災害時の孤立問題や急務な物資輸送の解決手段として、災害時を見据えたドローン物流の実証実験を実施した。実証においては、平常時における住宅地での利用も見据え、住民の理解度向上や、定期飛行に向けた課題の洗い出しも行った。
実施内容
災害時の孤立問題や急務な物資輸送を想定し、株式会社エアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruckを用いて、災害時の天白川の氾濫などにより日進ニュータウンの地域住民が孤立して救護活動が必要になった場合を想定し、日進市総合運動公園から北山ふれあい広場への片道約1.5kmを約3分でAEDを配送した。
また、BOLDLYが2022年9月に開発した、「Dispatcher」のドローン向け機能(Dispatcher for Drone)により、Dispatcherを自動運転バスとドローンの両方に接続して一元的に管理できることを確認し、自動運転バスを導入している日進市において、自動運転バスとドローンの運行管理を一元化することの有効性を検証した。
ドローンで配送されたAEDを北山ふれあい広場で受け取った日進ニュータウン自主防災会会長は、次のようにコメントしている。
会長:この地区は災害時、陸の孤島になりえる。そんな時にAEDや救援物資などがドローンで届くと安心できる。今回、地区の住民と自治体が連携して実施できたのは大きな前進となったと思う。
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NEXT DELIVERYは今後も、災害時の物資輸送に加え、買い物が難しい地域住民への飲食物や日用品の配送など、さまざまな場面でのドローンの活用を検討していくとしている。