KDDIスマートドローンは、ドローンが日常生活を支えるインフラとして活躍する社会の実現に向け、モバイル通信を用いてドローンの安心・安全な遠隔制御・長距離飛行を実現する運航管理システムを開発・提供している。今回、ドローンに搭載しているビデオカメラを活用した映像配信システムの品質向上を目指し、アイレットがシステム開発を支援した。
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IoT ドローン映像配信システム開発
[Before]
- UDP プロトコルを活用して映像配信システムを提供していたが、さらなる品質向上を求めていた。
[After]
- SRT プロトコルを使用した開発により、不安定な上空電波でも高品質な映像を提供できる映像配信システムを実現
- 機体の電源ON/OFFや動作に連動した映像ストリームの制御・停止によりコストを最適化
MediaConnectを活用したSRTプロトコルによるシステム開発
KDDIスマートドローンは、モバイル通信を用いてドローンの安心・安全な遠隔制御・長距離飛行を実現する運航管理システムと、様々なドローンを組み合わせて、広域監視や測量・人物検知・物流・農業など多岐にわたるソリューションを提供している。アイレットは運航管理システムのインフラ開発、監視・運用・保守までを支援している。
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この運航管理システムが提供する機能の一つとして、ドローンに搭載しているビデオカメラを使用した映像配信システムを運用されており、cloudpackもインフラ構築を支援した。しかし、当初はUDP プロトコルを活用していたのですが、上空の不安定な電波では映像が遅延するケースも少なくないため、さらなる品質向上を目指してアイレットが動画配信システムの開発を担当した。
今回の開発では、AWSのライブ映像伝送サービス「AWS Elemental MediaConnect」を採用。開発当時、AWS Elemental MediaConnectのプロトコルとしてSRT(Secure Reliable Transport)が新しく追加された。SRTは、信頼性が高く遅延の少ない映像伝送プロトコルで、パケット損失の大きいネットワーク環境でも高品質のインターネット映像伝達を可能にするため、いち早く導入することが決まったという。
ストリーム映像の自動制御・停止でコスト最適化
映像配信の仕組みは、まずドローンが撮影したSRT映像をAWS Elemental MediaConnectで受信し、機体操作に使用する Android アプリで映像を視聴する流れだという。また、多人数同時視聴を想定したWebブラウザのHLS(HTTP Live Streaming)配信を実現するために、「AWS Elemental MediaStore」および「AWS Elemental MediaLive」も活用しているとした。
さらに、より安定的な配信を実現すべく、サーバーの冗長化構成も採用。SRT プロトコルを採用した場合、機体の配信処理でサーバーに何かしらの問題が発生した際、機体側で配信先を切り替える必要がある。配信先が切り替わると視聴するアプリでも視聴先を切り替える必要があるため、機体のテレメトリーデータに配信先IPを含めることで、常に機体が配信しているIPをアプリが検知して視聴を行なう設計にして対処したという。
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また、機体の電源ON/OFFや着陸などの動作と連動してストリーム映像の制御・停止を行なう設計にすることで、コスト最適化を実現。フライトごとの録画データ生成も自動化できるようになり、サービス利便性が向上したとしている。