プライベートチャーター便や航空便の予約システムを提供するアメリカの企業・キネクトエアーは、十分に発達していないエリアで、便利で安全、かつ手頃な価格のフライトサービスに対する需要が高まっていることから、次世代航空宇宙企業であるエレクトラ社との提携を行った。
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エレクトラ社の静かでコスト効率の高いeSTOL(電動短距離離着陸機)航空機を同社ソフトウェアで運用することにより、全米5,200の地方空港の既存のインフラを活用しながら、都市間を直接結ぶ航空輸送のコストを下げ、地域航空移動の可能性を引き出すという。
同社は、AIを活用したルートディスパッチ機能とデマンドジェネレーション機能を備えたスマートフォンアプリを通じて、民間航空旅行の予約をより簡単かつ安価にし、それによって空の足を減らして価格を下げるとしている。
キネクトエアー最高経営責任者(CEO)であるジョナサン・エバンズ氏によると、同社の83%の顧客がハブ空港を回避してポイント・ツー・ポイント型の空港ペアのみを使用することを望んでいて、顧客は平均飛行距離215マイル(346km)を予約することが分かっているという。また同社ソフトウェアのデータからも、地域航空モビリティのスイートスポットは100~300マイルの間であることが分かっている。
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エレクトラ社のeSTOL航空機が就航すれば、同社ソフトウェアによりオンデマンドで座席ごとの予約に対応でき、地域航空輸送を一気に開放することになるとしている。
また、ジョージア工科大学航空宇宙工学部による研究でも、固定翼の電動航空機による地域航空移動が、従来のハブ・アンド・スポーク型を改善する可能性に注目している。この研究では、便利な地方空港を発着するオプションがあれば、乗客は他の移動手段よりも100マイル以上先の距離を飛行することが分かっているという。
eSTOL航空機は、運用コストが低く、航続距離が長く、9人乗りで、サッカー場ほどのスペースで運航できるため、より手頃でアクセスしやすく、環境にやさしいフライトパッケージを提供することが可能になる。今回の提携により、キネクトエアーはeSTOL航空機を使用して、太平洋岸北西部のポイント・ツー・ポイント型の地域市場に参入し、その後米国と欧州の両方でさらなる拡大を目指すとしている。