LEBO ROBOTICSが開発する風力発電機向け点検・補修ロボットは、地上からの操作によりブレード(風車の羽根部分)上を移動し、落雷対策のための導通確認や補修を行う。メンテナンス箇所における形状の計測・分析から研削、補修材を用いた補修まで、高い精度で行うことができるため、従来は人手で行っていた作業の省人化と補修技術の平準化が図れるとともに、作業時間の短縮や予防保全が実現できるという。
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現在、風力発電は、世界のカーボンニュートラル実現において必要な再生可能エネルギーの主力電源の1つとして期待され、世界中で導入が加速している。日本でも、経済産業省の資源エネルギー庁が策定した「エネルギー基本計画」において、風力発電の拡大が期待されている。そして、2030年の風力発電導入容量は、全世界で2020年比で4倍増、日本では5倍増が見込まれており、それに伴い、点検・補修を含む運用保守市場も大きな拡大が予測される。
また、風力発電設備のブレードは、空気中の砂などの微粒子や風雨に晒されるため損傷や劣化をしやすく、毎年1回の定期的な点検・補修が必要となる。さらに、表面の小さなダメージであっても発電能力に大きな差が生まれ、発電効率の低下につながるため、高い精度での補修技術が求められるという。通常こうした点検や補修は、ロープやクレーンによる危険な高所作業を伴うが、風車の大型化や基数の増加が進むにつれ、人材不足やコストの高騰が懸念されている。
このような背景や課題解決に向け、KDDIはLEBO ROBOTICSへの出資に至ったとしている。また、同社はグループ会社のKDDIスマートドローンとともに、風力発電設備向けにドローンを使った点検サービスも行っている。今後、KDDIの通信、IoT技術やドローンを活用し、風力発電設備の点検・補修作業の省人化や効率化に向け、LEBO ROBOTICSのロボット点検サービスのさらなる飛躍を支援していくという。