月面探査車YAOKIを開発する株式会社ダイモンは、月着陸船を開発している米Intuitive Machines社と月輸送に関する契約を締結。同社2回目の月輸送ミッション(2023年後半を予定)で、月着陸船Nova-CにYAOKIを載せ月の南極に送り込むという。
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同社は、月面探査車YAOKIを開発し、月開発に向けた探査ミッションに挑戦すると共に、安価で高頻度に利用できる月面実験プラットフォームとしてサービスを提供している。
継続的に複数台の機体を月に送り込めるよう、月輸送サービスを提供する企業との交渉も進めており、2019年にAstrobotic Technology社と月輸送の契約を締結。しかし今回、Intuitive Machines社とも契約締結に至ったため、計画を一部見直し、Astrobotic Technology社の月着陸船PeregrineにYAOKIを載せ月に送り込む計画は、次回以降のミッションへとスライドすることとなった。
YAOKIの1回目の打ち上げでは内臓バッテリー駆動で確実な月面稼働の実績を得ているが、2回目の打ち上げでは月面充電による長期的な稼動を計画している。月面着陸後は、地球からのリモート操作による月面走行および月表面の接写画像データの獲得など、超小型ロボットによる月面運用を実施するという。
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YAOKIについて
YAOKIは、超小型、超軽量が特徴の世界初となる多企業連携型の月面探査車(月面ローバー)だ。二輪方式を採用し特許技術を駆使する事で、従来の小型探査車に対し、重量で10分の1(現在498g)、大きさで50分の1(15×15x10cm)を達成し、1kgあたり1億円以上かかるといわれる月への輸送費を大幅に節減している。
センサーやモーター、バッテリー、通信機など、ロボットに必要な様々な要素技術を搭載しているため、月面での実証実験も可能。YAOKIを活用することで、より多くの企業が月開発に参入するための月面での稼働実績を得ることができる。
月開発市場の参入を目指すパートナー企業の月面実証機として期待されており、今後もその数を増やす予定だという。また2023年からは、月面探査車YAOKI自体をOEM提供し、受給した企業が月面探査を実施できるサービスも新たに開始する。