株式会社ヤマサは、信州大学 工学部 設計工学研究室と長野県松本工業高等学校との協同プロジェクトを立ち上げ、ドローンと3Dマップ、AIを活用した次世代鳥獣被害対策プロジェクト「いたずらネズミとお手伝いドローン」を始動した。
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ネズミによる経済的被害はイノシシやシカに比べ少ないが、ペストコントロールの観点で対策が必要だという。また住居や建物など設備や機材に対する被害も懸念されている。
信州大と松本工業高等学校、株式会社ヤマサの3者は産学連携プロジェクトとして、薬殺や罠など既存手法に加え、AIとドローンを組み合わせ、スマートかつ拡張性の高いソリューションを開発する。内容は、まず倉庫内に設置したカメラの画像データをAIで解析したネズミの位置に対し、最適なルートでのアプローチをドローンに指示。自動操縦ドローンがネズミに急速接近し、被害を予防すべく威嚇を行うというもの。2023年5月を目標に完成を目指す。
株式会社ヤマサ代表取締役社長 北爪氏コメント
当社の祖業である食糧事業。現在は長野県内や近郊の生産者から米を調達し、米菓子や酒類などの原料となる業務用の米や、小売業向けの精米など、お客様の用途に合わせて製造・提供を行っています。
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お米にはネズミがつきもので、これまで農家の皆様などからネズミ対策について相談されることもあり、何かできないかと検討していました。多方面にご意見を伺いながら調べていくと、天敵を利用するという手法が効果がありそうで、まだ試していない取り組みでした。ただ、実際の天敵を使うことはできません。
この領域にデジタルで新しいことが起こせたら…という発想を起点に、弊社の総務部 デジタル推進課で以前開発した骨材(生コン製造で材料となる砂や砂利)製造のAIによる動体検知が応用できそうだと考えました。
しかし、弊社だけでは天敵を代理するソリューションの開発が難しく、信州大学 工学部・松本工業高校さんと連携して開発プロジェクトを立ち上げることにしました。「天敵でねずみを退治する」というマンガのような、一見ファニーなご相談に、快く協力いただき感謝申し上げます。
松本工業高校 電子工学部のみなさんコメント
私たちは松本工業高校内の部活動のひとつである「電子工学部」として、普段はものづくりコンテストやeスポーツ大会などを舞台に活動しています。今回は、有志のメンバーでカメラの情報や3Dマップの情報をもとに、ドローンを自動で制御する部分の設計開発を担当しています。
学校で専門知識を学んでいますが、それを実際に活かして応用する機会はなかなかありません。そんなときに信州大学の中村教授からお話をいただき、学びを深める絶好の機会だと思い、参加を決めました。
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現在、部内で実験をしはじめていますが、ドローンが思ったように動作しなかったり、画像検出の機構とうまく組み合わせることができなかったりと、開発の難しさを感じています。
少しずつ形になっていくことにやりがいを感じつつ、実際の開発現場を目の当たりにして、期待されたものを作るということの責任も感じています。課題を解決しながら、安定した動作が実現できるよう研究を進めていきたいです。