パナソニックインダストリー株式会社、名古屋大学、山形大学、秋田大学は、JAXAと共同で「超軽量電磁波遮蔽材料」技術の共同研究を開始した。
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同技術は、今後、人工衛星や探査機やドローン、eVTOLのほか、5G・6G基地局などの様々な機器に軽量化を目的として採用が期待されるという。
背景
宇宙分野における人工衛星や探査機開発では、質量低減のために高度な電磁波遮蔽技術が求められている。ドローンやeVTOL開発も同様に、軽量化と電磁波対策の両立が求められている。
また、5G・6Gなどの無線通信分野においても、ミリ波帯からテラヘルツ波帯への対応と軽量化を両立する電磁波遮蔽材料の必要性が高まるとされている。
超軽量電磁波遮蔽材料の詳細
名古屋大学の研究によるカーボンナノチューブを用いた超軽量材料と、パナソニックインダストリーが保有する熱硬化性樹脂の配合設計の組合せにより、一般的な電磁波遮蔽材料の中でも軽量なアルミニウムの270分の1の軽さ(かさ密度0.01g/cm3レベル)を実現しながら同等の電磁波遮蔽性能を有するという。
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機器の仕様に合わせて、材料の組成を変更することで遮蔽する電磁波の周波数帯域の設定が可能。
高効率の電磁波遮蔽を実現し、ノイズによる機器の誤動作を抑制するとともに、機器のEMC設計も容易にする。
既存材料であるアルミニウムと異なり、特に電磁波吸収性能を有しており、CPUなどのデバイスが自ら発するノイズの多重反射を防ぎ、ノイズ重畳によるデバイスの特性劣化を防止するという。広い周波数帯域にも対応しており、次世代無線通信技術の普及促進が期待できるとしている。
パナソニックインダストリーが保有する熱硬化樹脂の配合設計技術とフリーズドライ製法により様々な立体構造を作成することができ、採用機器の形状に応じた加工も可能だという。
パナソニックインダストリーは、培ってきた熱硬化性樹脂の配合設計技術と、地上の様々なユースケースを想定した環境試験技術・ノウハウを組合せることで、2024年の実用化を目指すとしている。