KDDI株式会社(以下、KDDI)、KDDIスマートドローン株式会社(以下、KDDIスマートドローン)、銚子市は、洋上風力発電設備(以下、洋上風力)のドローン自律飛行による点検の実証実験(以下、同実証)を実施し、高精度な点検結果を得られることを確認した。なお、同実証は千葉県の「地域主導型新エネルギー活用プロジェクト支援事業補助金」を活用して銚子市沖で行い、2022年3月にプロジェクトを完了した。
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洋上風力はカーボンニュートラルの実現と再生エネルギーの主力電源化の切札として期待されているという。洋上風力の導入が見込まれる一方で、風力設備の点検作業は人手でロープ高所作業を行うことが多く、点検・メンテナンスの省人化・効率化が求められている。
同実証では、洋上風力発電事業の「促進区域」となっている銚子市にて、ドローン点検を商用提供しているKDDIの陸上風力設備のドローンシステムを活用し、洋上風力をドローンで点検できるかの検証を行った。また、沿岸から遠く離れた沖合に洋上風力が建設されることを想定し、船上からのドローン離発着も実施。結果、ドローンのオートフライトにより、ブレードの自動撮影や画像解析・レポート作成に成功し、洋上風力の点検項目を高精度で実施できることを確認したという。
今後、三者は同実証で得られた成果を基に、建設が進む洋上風力の効率的な運用を目指し、銚子市の地元企業との連携を進め、ドローンの活用を推進していくという。
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同実証の概要
1.実施内容
洋上風力設備点検を、ドローンで効率的に実施できるかの実証を下記手順にて実施した。
- 船舶で銚子沖合3kmに設置されている洋上風力設備まで行き、点検用ドローンを船上から離発着させる
- ドローンは洋上風力設備の各ブレードの周辺を4方向から自動撮影するためオートフライトを行う
- 撮影された画像データは、AIによる自動解析を行うことで損傷箇所を抽出し、点検者は損傷レベルを確認・登録するだけで、損傷箇所の管理が可能となる
- 損傷箇所/損傷レベルの写真を自動でレポート作成する
2.成果
- 船上でのドローン離発着手法を確立した
- 陸上風力設備点検と同等の点検時間で、軽微な損傷も抽出することができた
3.風力点検ソリューションについて
従来は人手によって高所作業かつ時間がかかるロープアクセスによる風力発電機のブレード点検が、ドローンのオートフライトによるブレード撮影や、AI解析による自動スクリーニング、自動レポート作成により、安全かつ短時間で実現できるという。陸上風力設備の点検は2021年6月よりサービスを開始し点検実績をあげている。今後、風力点検ソリューションは洋上風力点検への適用を推進していくという。