AOSデータ株式会社は、無人航空機時代に備えてデジタルデータで証拠調査を行う「ドローンフォレンジック」サービスの提供を開始した。
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2020年度の日本国内ドローンビジネスの市場規模は、前年度比37%増の1932億円に拡大し、2025年度には6427億円(2019年度の約4.6倍)に達すると見込まれている。一方でドローンを禁止エリアで飛行させたなどとして、全国の警察が2019年に航空法違反容疑で摘発した事件は、111件(前年比29件増)とドローンの摘発が増えている。
今後、急増することが予想されているドローンの利用に合わせて、ドローンが事故や犯罪に使われた場合にドローンのデジタルデータを調査して、証拠として活用するドローンフォレンジックの需要が高まることが予想される。米国では、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)がドローンフォレンジックのためにドローンのタイプ別のフォレンジックイメージを公開しており、ドローンフォレンジック調査を効率良く行えるように国家が支援している。
AOSデータは、2002年よりフォレンジックサービスの提供を開始、PC、携帯電話、スマホ、ドライブレコーダなどのフォレンジック調査を捜査機関や企業、弁護士の依頼を受けて実施し、国内のフォレンジック調査を牽引している。今後は、ドローンフォレンジックに注力し、ドローンに格納されているデジタルデータの復元・抽出・解析作業を実施する。
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■ドローンフォレンジック調査とは
ドローンの普及が全世界で急速に進み、犯罪に悪用されるケースや事故の件数が増加している。自動運転で運用されるケースも増えており、ドローンに関する事件が起こった場合に、事故の原因の特定や犯罪を立証するために、ドローンに関連するデジタル証拠の調査が必要になるケースが今後増えていくことが予想される。
実際にドローンに対して、フォレンジック調査を行う場合には、高度な知識と専門性の高い技術が要求されるという。AOSデータは、デジタルデータの証拠調査で警察機関、民間企業、弁護士などの依頼で数多くのデジタルデータの証拠調査を行ってきた実績がある。
ドローンフォレンジック調査は、ドローンの中に格納されているデジタルデータを解析し、軌跡の分析、コントロールコマンドの解析、写真、動画、日時、速度、高度、移動方向、位置情報などのデジタルデータを取り出し、事件が行った前後にどのような状況であったかを解析し、証拠として抽出するサービスだとしている。
■ドローンフォレンジックの調査事例
- 空撮中の事故
事故の概要:空撮のためにドローンを飛行させていたところ、突然操作不能となり、隣接するマンションの壁衝突し、窓ガラスに傷を付け、網戸を損傷
原因調査:ドローンの操作ログを解析したところ、不適切な操作をしていたことが判明 - 測量中の事故
事故の概要:測量のためにドローンの自動航行を実施したところ、隣接する樹木に衝突した
原因調査:ドローンの飛行経路の設定ログを解析したところ、離陸点より70mの高さで水平移動する設定としていたが、飛行場所が急勾配により、高低差が30m程度となり、樹木に衝突したことが判明 - 農薬散布中の事故
事故の概要:農薬散布のためにドローンを飛行させていたところ、風に煽られスライドし、付近にいた人と車に接触し、墜落した
原因調査:ドローンのログを解析したところ、着陸時に傾いて設置したため、着陸判定ができず、その時点でモーターを停止せずに姿勢制御を継続してしまった。設置した際にドローンを安定的に制御するために必要な電圧を下回っていたことが判明