同調査の目的は、ドローンの利活用を目指すもしくは既に利活用している企業に活用目的・活用業務・選定項目を調査し、ドローンの導入・実用化を目指すうえで重点な項目やニーズを明らかにすること。調査手段はインターネットによる定量調査で、全国の会社員(従業員数が300人以上の企業勤務)および一定規模以上の自治体職員から、全国を対象に調査を行い、374名の回答を得られた。
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■調査結果まとめ
- 利用、検討中のドローンサービスは「実地運用サービス」が5割
- サービスを導入する際に重要な項目は、検討フェーズと導入拡大フェーズで異なる傾向。ドローンサービス導入検討時の選定重要項目は「安全性」となり、導入拡大時は「安全性」に加え「サービスの使いやすさ」「サービス提供人材のスキル」
- 年齢によってもドローンサービスの導入意向度や重要項目は異なる傾向。30代が67%と導入意向度が高く、40代は22%となり最も保守的な年代となった
■調査結果(抜粋)
・ドローンサービス利用、検討中の内容は「実地運用サービス」が5割。機器の周辺サービス、購入・リースを上回る
ドローンサービスの利用について37%が「利用している/利用したことがある」もしくは「検討中」という状況であることがわかった。そのうち、利用・検討しているサービスの内容は「適用範囲策定/計画、技術選定、飛行計画、オペレーターの派遣、現地作業~報告書作成といった実地運用を含むサービスの利用」と回答したのが57%と最も多く、「ドローン機器の周辺サービス(13%)」や「機器の購入・リース(24%)」よりも上回った。
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ドローン関連サービスを導入する、導入すべきと考える目的は、「危険作業・健康被害の抑制 (高所作業や農薬散布など)」が最も多く、次点で「作業効率化(作業時間短縮や物資輸送のスピードアップなど)」「災害対応/地域貢献」と続いた。
また、自社・自団体でドローン関連サービスを導入している/すべきと考えられる業務についての問いに関しては、「設備点検」や「現場状況把握」が多く、「空撮」や「測量」、「物資運搬」という順で回答が多い結果となった。
・ドローンサービスの重要項目は、利用経験の有無によって変化が生じる
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サービスを検討中段階での重視する項目については、「安全性」を重視しており、ドローン関連サービスを活用する際に最も重要となる項目であることがわかった。
一方で、「ドローンサービスを利用したことのあるユーザー」については、「安全性」に加えて、「対応する人材のスキル」「サービスの使いやすさ」も同様に重視しており、ドローンの利用経験の有無によって選定項目に変化があることがわかった。
・年齢によってドローンサービスの導入意向度や選定・発注時の重視する項目は異なる結果となった
ドローンサービスの導入意向度を年齢別に比較すると、「とても積極的」「積極的」と回答したのが、30代が67%と導入意向度が高く、40代は22%となり、最も保守的な年代という結果となった。
重視する項目を年齢別でみると、30代は「対応する人材のスキル」や「サービスの使いやすさ」に対する重要度が比較的高く、「安全性」に関しては60代が最も重視する傾向となった。年代によって重視する項目が異なっており、差は大きくないものの業務での立場によっても傾向があることが見受けられる。
■調査結果公開にあたって
今回の調査結果から、ドローンのような新しいテクノロジーが定着するために不可欠な要素は、「同じ業界・組織内で活用時の品質が安定する」ことであり、包括的なガイドラインに加えてサービス基準の整備が、業界全体で取り組むべき課題であると明確になった。
また、ドローンの導入を躊躇するユーザーの心理や、年代別の導入意欲の高低差などが明らかになった。サービスを供給する企業は、「安全に」サービス提供する事に加えて、組織の導入フェーズやユーザーの意向に沿ったサービスの提供が必要であると考えられる。
■調査概要
- 対象期間:2020年5月
- 回答数:374名
- 調査項目:ドローンサービスの利用状況、選定理由、ドローンサービスへの期待など
- 調査対象:日本全国の企業・自治体(うち半数が3,000人以上の規模)。企画や総務(設備管理)部門の所管・所属で、経営者・役員を含む役職層