米国国際貿易委員会(以下:ITC)の主任行政法判事は、世界最大のドローンメーカーであるSZ DJI Technology Co. Ltd.と7つの関連事業体(以下:DJI)は、Autel Robotics USA(以下:Autel Robotics)社に属する米国特許第9,260,184号を侵害するドローンを輸入・販売することにより、1930年関税法337条(改正後)に違反していると判断した。2016年頃から争っていたこの裁判に動きが見えたということになる。
- Advertisement -
その結果、行政長官は、Mavic Pro、Mavic Pro Platinum、Mavic 2 Pro、Mavic 2 Zoom、Mavic Air、Sparkを含む侵害製品を米国への輸入から除外するよう勧告した。米国で販売されている人気のあるほとんどのドローンが該当する。Steptoe弁護士事務所がAutel Robotics USA社側に立ち、裁判を争った。
実は、Autel Roboticsは中国企業の米国子会社で、親会社は2014年に設立された「道通智能航空技術有限公司(以下:Autel道通)」。DJIと同様に本社は深圳で同郷の2社が海を隔てアメリカで争っている。当然DJI側も道通側を告訴している。
最高行政法判事の最初の決定、排除命令が発令された時点で既に米国で販売されているこれらの製品をDJIが販売禁止の排除措置命令を勧告した。また、排除命令後の60日間の大統領審査期間中にDJIへの9.9%の保証金支払いをAutelの要求として認めたという。今後、最高行政法判事の判断が委員会全体で支持されれば、これらの製品は早ければ7月にも米国市場から撤去される可能性がある。多くの売り上げを北米など海外から上げているDJIとしては大打撃となる。
- Advertisement -
トランプ政権以降、米中貿易摩擦から中国企業排斥の動きが見られる。といいながらも中国企業同士、それも深圳で生まれた同郷の企業がアメリカで争うことは奇妙なことだ。「Autel道通」が最終的に勝訴したとしても、中国国内では非難される可能性がある。DRONE編集部でもこれらの去就を見守りたい。