NEDOが管理法人を務め内閣府が実施する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」は、安全で快適な自動運転社会の実現を目指し、東京臨海部において一般道の交通インフラからの信号情報や高速道路の合流支援情報などを活用したインフラ協調型の自動運転の実証実験を、国内外の自動車メーカー、自動車部品メーカー、大学など計28機関の参加を得て、2019年10月15日から2021年3月末までの期間、順次実施する。
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交通環境が複雑な一般道や交通量の多い高速道路では、車両に搭載されたセンサのみで自動運転を実現することは現時点では難しく、交通インフラなどから取得した信号情報、渋滞情報、本線合流支援情報などを活用して自動運転を行うインフラ協調型の自動運転技術の検討が必要となっている。
同実証実験では、臨海副都心地域、羽田空港地域において、高精度3次元地図情報や高度道路交通システム(ITS)無線路側機による信号灯火色情報などを提供する環境を整備する。
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また、羽田空港と臨海副都心を結ぶ首都高速道路では、ETC2.0路側無線装置により、本線を走行する車両に関する情報やETCゲートの開閉に関する情報を自動運転車に提供する環境を構築していくとともに、羽田空港においては、公共交通システム用の磁気マーカー、公共車両優先システム(PTPS:Public Transportation Priority Systems)、仮設バス停、バス専用レーンなどを整備していくという。
同実証実験に参加する国内外の28機関は、実証実験に使用する自動運転車(最終的に合計約100台程度の見込み)、当該車両の運用および運転手などの準備とともに、実験データの取得、実験結果の報告などを行う。
大都市である東京における実交通環境下での、国際的にオープンな産学官連携の公道実証実験は、世界的にも類を見ないものであり、国際標準活動に向けた取り組みとなる。
なお、羽田空港地域、羽田空港と臨海副都心などを結ぶ首都高速道路などについては、引き続き交通インフラの整備を行っており、来年春ごろに実証実験を開始する予定だ。
また、同機構は自動運転に対する社会的受容性の醸成に向け、2020年東京オリンピック・パラリンピックに先立つ2020年7月に(一社)日本自動車工業会と連携しながら、自動運転車を体験できる試乗イベントの開催を計画しているという。併せて、一般市民向けに自動運転を解説するウェブサイトの開設、SNSなどの双方向型のコミュニケーションツールの活用などを図るとしている。